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Service
税理士法人マインライフが提供するサービス
相続は一人ひとりの状況で大きく内容が変わります。
私たち税理士法人マインライフは、国内の相続税申告から海外財産を含む国際相続、事業承継や生前の相続対策まで、複雑な課題をワンストップでサポートしています。
相続税申告
国内・国外を問わず、正確かつ円満な申告をサポート
当事務所のメンバーは毎年数多くの相続税申告・相続対策に関与しており、高品質な相続税申告が可能です。経験豊かな税理士がお客様と直接お話しして、申告内容・財産評価の報告、一歩踏み込んだご提案をすることで、高品質な相続税申告をご提供することをお約束します。
国際相続サポート
海外財産・海外在住者が関わる相続をワンストップでサポート
当事務所は、海外に財産をお持ちの日本人や、海外在住の相続人、日本に住む外国籍の方々の相続手続きに対応しています。独自の専門家ネットワークを活用し、アメリカ、ヨーロッパ諸国、アジア諸国、オーストラリアなど、世界各国の専門家と連携。スムーズな相続手続きをサポートします。
相続対策
生前贈与・資産組換え等を含むオーダーメイド対策
相続税の節税効果を最大化するため、個別の財産状況や相続人のニーズに応じたオーダーメイドの相続対策を提供しています。独自の専門家ネットワークを活用し、アメリカ、ヨーロッパ諸国、アジア諸国、オーストラリアなど、各国の専門家と連携し、現地でのサポートも行っています。
事業承継
会社・株式の承継プランと税務をトータル支援
企業オーナー様の大切な事業を後継者へ円滑に承継するためのサポートを行っています。単に経営権や株式を移転するだけでなく、永続的な事業の発展を見据えた承継計画をオーダーメイドでご提案します。ヒアリングから計画立案、実行フォローまで、企業の状況に応じた柔軟な対応で事業承継を成功へと導きます。
Certified Tax Accountants
税理士のご紹介

“想い”と“財産”を守り抜く―― 国際相続のパートナーとして
国境を越える相続では、法律・税制・文化の壁が立ちはだかります。私たちは少数精鋭の強みを活かし、現地専門家と緊密に連携しながら、“難しいからこそ最後まで寄り添う”姿勢を大切にしてきました。
大切なご家族と財産を守るため、ぜひ一度ご相談ください。
統括代表社員 / 税理士
門倉 誉士希

千葉事務所長 / 代表社員 / 税理士
伊藤 千尋

東京事務所長 / 代表社員 / 税理士
久保 佑介

代表社員 / 税理士
川崎 朝輝
外部顧問

中村法律事務所
代表パートナー弁護士
ニューヨーク州弁護士
中村 優紀 弁護士

Global Tax office
代表税理士
金田一喜代美 税理士
Columns
国際相続・相続税対策に役立つコラム
国際相続サポート
相続人の誰かが海外在住なら知っておきたい!7つの相続手続き!
「相続人の1人が海外にいるのだけど、手続きはどう進めればいいのか…」 「期限までに終わらせられるか心配」 このような不安を抱える方は少なくありません。 私は税理士としてこのようなご相談を数多く受けてきました。 そして、ほぼ全てのご相談者は手続きのやり方や手順、必要な書類、注意点などを把握されていませんでした。 手続き一つ間違えると、大幅に納税額が増えることも・・ 相続人のうち誰かが海外に住んでいる場合は、注意が必要です。 日本国内だけの相続に比べて ① 手続きに時間と手間が大幅にかかる ② 海外の税法が関わってくる といった特徴があります。 実のところ、専門家の助けなしにご自身で相続手続きをすることは不可能と言ってもいいでしょう。 本記事では、相続手続きの全体の流れを押さえたうえで、海外在住の相続人が関与する場合に必要な手続きや注意点を詳しく解説します。 記事を参考にして、漏れなく、スムーズな手続きにつなげてください。 第1章 相続人が海外に在住している場合の一般的な相続手続きの流れ 以下の各Stepごとに解説をしていきます。 Step2、4、5、6、7は相続人の中に海外在住者がいるため特殊な手続きを要するものとなり、特に注意が必要です。 Step1 相続発生時 ・死亡届の提出 被相続人の死亡が確認された場合、まず必要となるのは死亡届の提出です。 死亡診断書(または死体検案書)を添えて、市区町村の役所に提出します。 【提出先】 ①死亡地 ②届出人の所在地 ③本籍地 のいずれかの市区町村 【提出期限】 「死亡の事実を知った日から7日以内」 ※提出が遅れると戸籍に正しく記載されず、相続登記や金融機関の手続きで支障が出るおそれがありますので、注意してください。 ・葬儀の準備 相続とは別に、現実的には葬儀の手配も同時並行で進めます。 葬儀の形式、日時、宗教・宗派の選定、会場予約、参列者への連絡など、短期間に多くの意思決定が必要です。 【葬儀費用について】 相続財産から支出することができます。 後の相続財産評価や遺産分割にも関係してくるので費用の明細書・領収書を保管が重要になります。 Step2 相続人の確定 ・戸籍の収集 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む)を集めます。 相続手続きをする上で、法定相続人を確定するためです。 戸籍の収集には郵送請求や専門家の代理取得も可能です。 ただし、発行には1週間〜2週間かかることもありますので時間には注意が必要です。 ・海外在住者の場合は日本国籍であれば戸籍取得可能 海外に在住している相続人が日本国籍を有している場合は、他の日本在住の相続人と同様に日本の戸籍を取得可能です。 そこに特別な手続きは必要ありません。 具体的には委任を受けた相続人代表や税理士、司法書士の専門家が郵送または役所の窓口で海外在住者の戸籍を取得することになります。 ・日本国籍がない場合は外国の公的書類を用いて証明する必要あり 海外で出生した方やすでに日本国籍を喪失している方のように日本国籍を有していない場合は、在住先の海外で取得できる公的な書類で相続人であることを証明していきます。 具体的には下記のような書類を用意します。 書類名 説明 外国の出生証明書(Birth Certificate) 被相続人と申立人が親子であることを示す基本資料です。公的機関発行の原本+日本語訳が必要になります。 外国の婚姻証明書 配偶者であることを示す場合に必要になります。(結婚証明書や登録記録) 外国の家族関係証明書または親族関係登録簿 国によっては「家族簿」などの制度があります。 宣誓供述書(Affidavit) 弁護士または公証人による宣誓文書です。家族関係の事実を記載します。 国籍喪失証明書(あれば) 帰化・国籍放棄などによる日本国籍喪失を証明します。 日本国籍がない場合には在住地で複数の書類を取得し間接的に相続人であることを証明する必要があります。 つまり、この手続きには時間がかかると言えます。 早め早めに手続きに取り掛かることが重要になってきます。 Step3 相続財産の調査 ・被相続人が保有していた財産や負担すべき債務の洗い出し 不動産、預貯金、有価証券、保険金、貸付金、ゴルフ会員権など、被相続人が所有していたすべての財産を網羅的に調査し、洗い出します。 負債(住宅ローン、借入金、未払税金など)も同様に確認が必要です。 【主な調査対象】 ・通帳 ・証券 ・契約書の確認 ・金融機関への残高証明請求 ・名寄帳 ※国外に財産がある場合 外国口座、不動産、海外法人株式などがある場合は、その国の制度や評価方法に基づいて名義変更手続き・評価する必要があります。 日本の税務当局に対しても適切な資料(翻訳含む)を添えて報告しなければならないため、現地の弁護士・税理士との連携も求められます。 国外財産がある場合のプロベート手続きについては以下のリンクで詳細に解説しております。 https://www.mine-life.jp/what-is-probate-working-flow-how-to-avoid-2 Step4 被相続人の債務が財産より多いことが懸念される場合/相続放棄・限定承認の検討 ・相続放棄(財産、債務ともに全く相続しない) 相続人は、被相続人の死亡を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所へ相続放棄を申し出ることができます。 これは相続財産がマイナスの場合(借金過多など)に有効です。 海外在住者は、署名証明書と在留証明書を取得し、郵送で申述することが可能です。 ・限定承認(財産の範囲で債務を相続する) 限定承認とは「プラスの財産の範囲で借金を引き継ぐ」という制度です。 これは、すべての相続人が一括して行う必要があります。 書類不備や一部の相続人の反対により実施困難となるケースもあります。 この手続きも相続人の死亡を知った日から3か月以内に原則行う必要があるのでご注意ください。 Step5 遺産分割協議 ・分割協議は全員一致が原則 遺産分割協議を行います。 遺産分割協議は、法定相続分を超えて自由に配分内容を決められるものです。そして、遺産分割協議には相続人全員の同意が前提となります。 一人でも署名しない、意思表示をしない場合には協議は無効となります。 ・海外在住者の署名と証明 海外在住の相続人は、遺産分割協議書に署名したうえで「署名(サイン)証明書」と「在留証明書」を現地の在外公館で取得し、日本に郵送する必要があります。 現地での本人確認、翻訳、公証などにも時間がかかるため、早めの準備が必要です。 「署名(サイン)証明」とは 署名証明とは、日本の印鑑証明書の代替として利用される書類で、本人が在外公館(日本大使館や総領事館)の面前で署名したことを証明するものです。遺産分割協議書や委任状などに添付します。 ● 取得方法(一般的な流れ) 手順 内容 ①予約 大使館・領事館のホームページ等から予約します。 (国によっては予約不要な場合もあります) ②持参書類 パスポート、必要書類の原本(協議書・委任状など)、現住所が分かるもの ③現地署名 大使館等で職員の面前で書類に署名を行います。 ④手数料の支払い 手数料は国や照明内容によって異なります。 ⑤証明書受領 その場で交付を受けられる場合と後日受領する場合があります。 なお、外国籍の相続人の場合には日本の大使館や領事館での手続きでなく、現地の公証人の面前でサインをすることで証明をすることになります。 「在留証明書」とは 在留証明とは、日本の住民票の代わりとして利用するもので、海外に住んでいること(現住所)を証明するものです。 ● 取得方法 手順 内容 ①予約 大使館・領事館に予約(署名証明と同時に取得できる場合が多い) ②持参書類 パスポート、現住所が記載された公的書類(運転免許書、公共料金請求書、住民登録カード等) ③申請・発行 申請書に記入して提出します。現住所が事実であることが確認された後に証明書が発行されます。 ④手数料 約10~20USD程度(国によって異なります) ⑤有効期限 原則として発行日から3か月以内に使うのが望ましいです。 ・委任状による対応 相続人の一部または全員が、弁護士や税理士などに委任状を発行することで手続きを代行してもらうことも可能です。 相続人が海外に在住している場合は、様々な手続きの都度「署名(サイン)証明書」が必要になるため相続手続きの一切を弁護士に委任することができます。 実務上はこの方法がスムーズであることが多いです。 ただし、委任状には「署名(サイン)証明書」を添付する必要があるため、初回委任時には大使館又は領事館での手続きが必要になります。 Step6 相続税申告 ・例え海外に住んでいても日本の相続税申告が必要になるケースが多い 被相続人が日本居住者である場合、相続人が非居住者(海外在住)であっても日本国内の財産だけでなく、海外財産も含めて課税対象となります。 ・日本での申告納税業務を代わりに行ってくれる人を選任する必要がある 相続税申告を行うにあたって、相続人が非居住者の場合には日本国内に納税管理人を置く必要があります。 通常は税理士、親族、信託銀行などが担当し、申告書の提出・税金の納付・連絡窓口として機能します。 なお、具体的な手続き方法は後述いたします。 ※被相続人の財産の中に有価証券がある場合には相続税とは別に所得税が課されることも 被相続人が1億円超の有価証券等を保有していた場合、その相続によって含み益が非居住者に移転することから、準確定申告時に所得税(譲渡とみなされる)を課されるケースがあります。 なお、具体的な内容は後述いたします。 Step7 名義変更手続き ・必要書類の整備 ①遺産分割協議書 ②戸籍謄本 ③印鑑証明(または署名証明書) ④登記識別情報 ⑤金融機関所定の相続手続き依頼書 などが必要です。 不動産は法務局、預金は銀行ごとに手続きが異なります。 ・海外在住者の手続き上の留意点 金融機関や法務局では、署名証明書の内容に厳格な様式を求めることもあり、記載ミスや形式不備による再取得が必要になることがあります。 <専門家からのアドバイス> スケジュール管理が重要!! 相続税の申告期限(10ヶ月)、相続放棄の申述期限(3ヶ月)、名義変更に伴う各種期限などが並行して走っているため、全体スケジュールを把握したうえで進行管理を行うことが極めて重要です。 特に海外とのやり取りを含む場合、郵送・翻訳・認証手続きの時間を見込んだ計画が不可欠です。 スケジュールを加味し、しっかりとしたスケジュールを組んでいきましょう。 第2章 相続人が海外在住のときの事例ごとの必要な手続きと流れ 相続人が海外に在住している場合、日本に在住している方のみが相続人の場合と異なり一般的な相続手続き通りに進めることができないケースも存在します。 この章では上記の一般的な手続きでは進められないケースについてより詳しく解説いたします。 2-1. 相続人と連絡が取れない・所在が分からない場合|不在者財産管理人選任/失踪宣告の検討 相続人の一人が海外にいて連絡が取れない、または長年所在不明である場合、他の相続人が勝手に手続きを進めることはできません。 このような場合、家庭裁判所で「不在者財産管理人」の選任を申し立てることで対応可能です。 【不在者財産管理人の役割】 ・申立先:不在者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 ・必要書類:申立書、不在者の戸籍附票(または不在の証明資料)、相続関係図、財産目録、申立人の戸籍謄本など 選任された不在者財産管理人(通常は弁護士)が、失踪中の相続人の代理として遺産分割協議に参加し、登記・名義変更・相続税申告などを行います。 【失踪宣告との違い】 失踪宣告(民法第30条)は、原則として「7年以上」音信不通の相続人について「死亡とみなす」制度です。宣告が確定すれば、その人物は法律上「死亡」扱いとなり、他の相続人で手続きを進めることができます。 2-2. 未成年・判断能力に問題がある相続人が海外在住の場合|特別代理人選任 相続人の中に未成年者や認知症などで判断能力のない者が含まれる場合、遺産分割協議は無効になります。 例え海外に住んでいる相続人であっても同様です。 特に親が子を代表しようとすると利益相反となるため、家庭裁判所に「特別代理人の選任申立て」が必要です。 【ポイント】 ・申立先:原則的には未成年者等の住所地を管轄する裁判所です。 国外に在住している場合に日本の家庭裁判所に緊急管轄が認められるかは個別に判断されます。 ・提出書類:申立書、戸籍謄本、財産目録、遺産分割協議案、陳述書等 ・選任者:一般的に利害関係のない親族または弁護士が選任されます。 ・報酬:家庭裁判所が定めます ・海外在住の子については、代理人の意思疎通のための通訳・翻訳が必要になることもあります。 ※認知症の場合は、別途「成年後見制度」の利用も検討が必要となります。 2-3. 遺言がある場合(公正証書遺言/自筆で検認要)|協議省略と手続き短縮のポイント 遺言書がある場合は、その内容によって遺産分割協議を省略できます。 特に海外在住相続人がいる場合には大幅な手続き短縮につながります。 【公正証書遺言】 ・家庭裁判所の検認が不要 ・登記、金融機関手続きに即時利用可 ・原本は公証役場に保管されているため紛失リスクも少 【自筆証書遺言】 ・検認申立てが必要(相続開始後速やかに家庭裁判所へ) ・添付書類:遺言原本、相続人全員の戸籍、申立書、収入印紙など ※2020年からは法務局による「自筆証書遺言の保管制度」も開始されています。 2-4. 海外から相続放棄したい場合|家裁への郵送申述・署名証明の実務 相続人が海外在住で相続放棄を希望する場合、家庭裁判所に郵送で申述を行うことが可能です。 【必要な手続き】 ・申立先:被相続人の最後の住所地の家庭裁判所 ・提出物:相続放棄申述書、署名証明書、在留証明書、パスポートの写し、収入印紙 ・署名証明書/在留証明書:在外公館(日本大使館・領事館)で取得 ・提出期限:相続の開始を知った日から3か月以内(例外あり) <専門家からのアドバイス> この章では特殊な相続手続きが必要となる事例について確認いたしました。 「遺言書がある場合」を除き、今回ご紹介したような事例に該当する場合には非常に手続きが複雑になります。 そのため、税理士だけでなく弁護士の先生など複数の専門家の関与が必要不可欠になります。 また、どの手続きも時間がかかる手続きが多く期限もタイトなためスケジュール管理も非常に重要になります。 相続が発生した時点で早急に専門家にご相談することをオススメします。 第3章 海外に住んでいても相続税の手続きは必要になる 相続人が日本に住んでいない、いわゆる「非居住者」であっても、日本国内に被相続人が住んでいた場合、日本の相続税法に基づく申告・納税義務は原則として生じます。 この章では、非居住者が行うべき税務上の手続きと注意点について記載します。 3-1. 日本に代わりに手続きしてくれる人を決めておく必要がある 【納税管理人制度の概要(相続税法第55条)】 非居住者は、日本の税務署に対して直接申告・納税を行うことができません。 そのため、日本国内に居住する「納税管理人(代理人)」を選任し、税務署へ届出る必要があります。 【実務的な流れ】 1. 納税管理人届出書(「相続税の納税管理人の届出書」)を記入 2. 添付書類として納税管理人の住民票(または法人の登記事項証明書)などを準備 3. 被相続人の最後の住所地を所轄する税務署に提出 4. その後の申告書類・連絡はすべて納税管理人を経由 【納税管理人としてよくある例】 • 国内に住む別の相続人 • 税理士 • 長年の顧問会計士や法律専門家 〈税理士のポイント〉 納税管理人は形式的な届出であっても、税務署とのやり取りや納付義務を負う立場になるため、信頼できる相手を選定する必要があります。 電子申告を行う場合には、実務上税理士が納税管理人となるケースがほとんどです。 3-2. 出国前に持っている株や資産に税金がかかることがある(国外転出時課税) 【国外転出時課税制度(通称:出国税)の概要】 国外転出時課税制度とは出国時に「その資産を譲渡した」と仮定し、含み益に対して所得税(譲渡所得)が課税される制度です。 ・対象者 以下の要件を全て満たす者が対象になります。 ①日本に居住する個人 ②出国時に1億円以上の有価証券や未決済デリバティブを保有している ③過去10年間のうち5年以上日本に居住していた ・本人が国外へ転出するときだけでなく相続・贈与でも対象になる ここでの出国とは「本人が国外へ転出する場合」だけでなく、「海外に在住している者への相続・贈与」でも適用されます。 具体的には下記のような場合が該当します • 被相続人:国内居住者、1.5億円分の株式保有 • 相続人:米国在住の非居住者 → この株式を相続すると、被相続人の最終所得として「含み益に対する所得税」が準確定申告で課税されます したがって、被相続人が有価証券を多額に持っていて相続人が海外に在住している場合にはこの制度の対象となるケースが多いです。 【国外転出時課税制度を適用されない方法】 この国外転出時課税制度の適用を免れる方法が2つあります。 ①納税猶予制度の利用する 以下の手続きを行えば、一定期間納税を猶予する制度を利用することができます。 • 納税管理人を届け出ている • 担保を提供している • 継続的な報告(継続適用届出書)を毎年提出 〈税理士のポイント〉 以下の場合には納税猶予は打ち切られ課税されてしまうのでご注意ください。 ・納税猶予の対象資産を非居住者が売却・贈与した ・帰国しないまま猶予期限を超過した ②海外相続人へ株式等を相続させないようにする 海外在住者が有価証券を相続しない内容で遺産分割協議を成立させれば、国外転出時課税を回避することができます。 なぜなら、海外に在住している相続人が有価証券を相続しなければ国外転出時課税制度の対象にならないからです。 遺産分割協議で国外転出時課税制度の適用を免れることができるようであれば検討しましょう。 〈税理士のポイント〉 遺産分割協議で国外転出時課税制度を免れるには、準確定申告の期限(相続開始後4か月)以内に協議が成立している必要があります。 なぜなら、準確定申告の期限を経過してしまうと法定相続分で分割されたものとして、海外相続人にも按分されたと見なされるからです。 遺産分割協議を確定申告させるまで4か月と非常に期間が短いので注意しましょう。 3-3. 要注意!海外在住者の場合使えない相続税の控除も 相続税申告には一定の要件を満たせば使うことができる特例があり、この特例を上手に利用することで相続税の負担を大きく軽減することができます。 一般的な控除・特例が海外在住者でも使えるか使えないか、ご自身で確認してみてください。 ① 小規模宅地等の特例 要件を満たせば財産を相続する相続人が海外在住者でも適用できます。 【対象となる非居住者】 • 日本国籍を有している • 日本居住者が適用する時と同様の各要件(継続保有等)を満たしている 【提出書類】 • 戸籍、相続関係図、遺産分割協議書 • 署名証明書(印鑑証明の代替) • 在留証明書(住民票の代替) ② 配偶者の税額軽減 非居住者でも配偶者であれば適用が可能です(国籍・住所不問)。 海外で結婚された場合には現地で取得した「婚姻証明書」を相続税申告書に添付するケースが多いです。 ③未成年者控除 原則非居住者も適用が可能ですが、被相続人・相続人ともに相続開始前10年超海外に在住しており、日本国内にある財産にのみ相続税が課される場合には適用が制限されるため注意が必要です。 〈税理士のポイント〉 控除が受けられるかどうかは、実際には個別具体的な事案により異なり判断は困難です。 場合によっては租税条約により二国間で特別なルールを設けている場合もあります。 必ずこれらの特例の適用を受けて申告をする場合には専門家に相談しましょう。 <専門家からのアドバイス> この章では相続人が海外に在住している場合に注意が必要な税務手続きを確認いたしました。 国外転出時課税制度や相続税の特例・控除など制度を知っているかどうかで何百万円も税負担が変わるものも多くあります。 また、どの手続きも期限がありもう少し早く相談してくれたらと思うことも多いです。 専門家の助けなしで全ての手続きを行うことは難しいので、早い段階で専門家にご相談することをオススメします。 第4章 相続人に海外在住者がいる場合には早期に専門家に相談を! 相続人の中に海外在住者がいる場合には早期に専門家に相談いただくことを強くオススメします。 なぜなら、ここまで確認してきたように相続手続きにおいて、相続人が日本国外に居住している場合、国内の相続人だけの場合と比較して「証明書の取得」「郵送の往復」「制度理解」などで時間と手間が大幅に増えるからです。 海外在住者が相続人の場合には、多くの見えない落とし穴があります。 専門家でも国際相続案件に普段から携わっていなければ対応は困難です。 私の経験でも、ちょっとした手続きの遅れで数百万円単位で納税が生じてしまうケースを何度も見てきました。 もう少し早く相談していただければ、と思ったことも一度や二度ではありません。 私たち税理士法人マインライフは、豊富な国際相続の経験と独自の国際的なネットワークを有しております。 「海外に資産がある」「海外に相続人がいる」「相続の手続きが全くわからない」など、お困りごとがあれば、まずはお気軽にご相談ください。 第5章 まとめ いかがだったでしょうか。 本記事では、相続人が海外在住である場合に、どのような場面で特別な手続きや配慮が必要になるのかまとめました。 国内だけで完結する相続と異なり、「国をまたぐ」ことによって法律・手続き・書類・税務など、あらゆる面において複雑性が加わります。だからこそ、早期の手続きと専門家との連携が極めて重要になります。 本記事を参考にしていただき、少しでも悩みごと、困ったことがある場合は、まずは専門家に相談してみてください。 皆さんの相続手続きがスムーズに、そして、未来につながる手続きになること
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海外の財産に相続税はかかる?日本との違いや注意点を専門家が解説
「海外に財産がある場合、日本や海外で相続税がかかるのだろうか。」 「そもそも海外の相続税の仕組みはどうなっているのだろうか。」 海外に財産をお持ちで、ご自身に万が一があったときの税金についてご不安をお持ちですね。 結論を言うと、海外にある財産にも日本の相続税はかかる可能性が高く、海外の相続税はその財産の所在する国によります。 そして、近年日本の国税庁は、海外に財産をお持ちの方の相続税申告に漏れがないか、厳しくチェックをしています。 実際に、厳しい税務調査によって海外財産の計上漏れを指摘され、ペナルティ付きの多額の追徴課税を受け、数千万円単位の税負担を強いられたケースも存在しています。 しかもその数は1件や2件ではなく、毎年全国で多数存在するのです。 この記事では、海外に財産を持っている場合に日本や海外で相続税がかかることになるか、という点についてまとめました。 海外の財産にかかる相続税について知り、自分の財産をどこに置くことが理想なのか考えていきましょう。 1章 海外にある財産に日本の相続税はかかる?その基本と課税対象 結論、亡くなった方が日本人で過去10年以内に日本に住んでいた場合、または、日本人の相続人が過去10年以内に日本に住んでいた場合は、亡くなった方が海外に持っていた財産にも相続税がかかります。 以下は相続税の課税対象が日本国内の財産だけとなるか、海外にある財産も含まれるかの判断のためのフローチャートです。 1-1 海外にある財産でも、日本の課税対象になるケースがある このように、基本的にはほとんどのケースで海外にある財産が日本の相続税の対象となるのです。 逆にいえば、財産を持っている方とその相続人が日本人である場合は、そのどちらもが10年超日本に住んでいない状態でないと海外にある財産にも日本の相続税がかかる、ということになります。 1-2 「被相続人」と「相続人」の住所と国籍で変わる課税範囲 日本の相続税が海外の財産にもかかるかどうかは以下の表のとおり、亡くなった方とその相続人の居住地と国籍によって変わります。 日本の相続税がかかる範囲 ※1 外国人被相続人を除く 外国人被相続人…相続開始時に一定の在留資格を有するもの。 ※2 一時居住者を除く 一時居住者…相続開始時に一定の在留資格を有する者で、相続開始前15年以内の国内居住期間の合計が10年以下であるもの。 ※3 非居住被相続人の前提 非居住被相続人…相続開始前10年以内において、国内に住所を有していた期間中、継続して日本国籍がなかったもの。 ・海外財産を持つ日本在住の方が亡くなった場合は、その財産を相続する人がどこに住んでいたとしても日本の相続税の対象となります。(上記表のケース①、②) ・海外財産を持つ海外在住の方が亡くなった場合は、その財産を相続する人が日本に住んでいる場合は日本の相続税の対象となります。(上記表のケース③) ・亡くなった方もその財産を相続する人も海外に住んでいる場合は、その国籍や過去10年以内に日本に住んでいたかどうかで海外の財産にも日本の相続税がかかるかどうかが決まります。(上記表のケース④~⑲) ・なお、実際に日本の相続税がかかるかどうかは、亡くなった方の日本の相続税の対象となる財産(相続税の課税価格)が相続税の基礎控除(3,000万円+法定相続人の数×600万円)を超えるかどうかで判断します。 1-3 海外に住んでいたとしてもほとんどのケースで日本の相続税からは免れられない このように、海外に住み、海外に財産を移したとしてもほとんどのケースで日本の相続税からは免れられない仕組みとなっています。 近年の税制改正により、海外に移住して日本の相続税がかからないようにしよう、という対策はより難しくなっています。 2章 財産が国内にあるか、海外にあるかはどう判断する?その原則、ルール その財産が日本の財産(国内財産)となるか海外の財産(国外財産)になるかの判定は財産ごとに以下の所在地により行います。 ちなみに、海外の財産にも日本の相続税がかかる場合、日本の財産の場合と同様に価値のあるものはすべて相続税の対象となります。 主な財産の所在地の判定場所 3章 国内財産、国外財産の判断の具体例 それでは、具体例を基に次の財産が国内財産となるか、国外財産となるかについて見ていきましょう。 【具体例】A銀行(本店は東京都)の北京支店にある普通預金 【判定】国外財産。受入れをした営業所の所在地が国外であるため。 【具体例】日本の証券会社を通じて購入したB社(本店はアメリカ)の株式 【判定】国外財産。B社の本店が国外であるため。 【具体例】C証券会社(本店はアメリカに所在)東京支店で購入した投資信託の受益証券 【判定】国内財産。信託の引受けをした営業所の所在地が国内であるため。 【具体例】D生命保険会社(本店はカナダ)からの死亡保険金(保険契約にかかる事務を行う営業所は東京都にある) 【判定】国内財産。保険の契約に係る事務を行う営業所や事務所が国内にあるため。(ない場合はD生命保険会社の本店が国外にあるため、国外財産となる。) このように財産ごとにその判定の基準となる所在地が異なるため、慎重な判断が必要となります。 4章 主要国別の相続税の課税ルール・ポイント 海外に財産がある場合は日本の相続税だけでなく、財産のある国において相続税がかかることがあります。 続いて、各国の相続税の概要についてみていきましょう。 4-1 アメリカの相続税(遺産税) ・特徴 アメリカには日本の相続税に相当する「遺産税」が存在します。 日本の相続税の納税義務者は「相続人」となりますが、アメリカの遺産税の納税義務者は亡くなった「被相続人」となります。 ・課税対象となる財産の範囲 被相続人がアメリカ市民かアメリカの居住者である場合→全世界の財産が遺産税の対象 被相続人が非居住者である場合→アメリカ国内の財産だけが対象 ・控除額(基礎控除) アメリカの遺産税も日本の相続税と同様に財産が一定の控除額を超えた場合に税がかかる仕組みとなっています。 アメリカの連邦遺産税の基礎控除額(2026年分)は1,500万ドルで1ドル150円の為替レートで換算すると22.5億円となります。 この控除額は日本の相続税に比べて大きなものとなりますが、遺産税の控除額は頻繁に変更されるため最新の税制を確認することが重要です。 ・税率 アメリカの遺産税の税率は累進課税となっています。 財産の金額が大きくなるほど税率も高くなります。 税率は最大で40%(2026年1月現在)となっていますが、遺産税の税率は頻繁に変更されるため最新の税制を確認することが重要です。 ・申告と納税期限 原則:相続発生日から9か月以内に申告と納税が必要 ・州の遺産税にも注意 アメリカでは国税としての遺産税の他に、州ごとに州税としての遺産税が存在します。 州の遺産税については非課税の範囲や税率が州ごとに異なるため、該当する州の法律を確認する必要があります。 国税の遺産税は控除額以下で発生しなかった場合であっても、州税の遺産税は発生する、ということもあります。 【「アメリカの相続税(遺産税)」についてはこちらの記事をご参照ください】 4-2 ドイツの相続税 ・特徴 ドイツには相続税があり、日本の相続税と同様に納税義務者は相続人となります。 ・課税対象となる財産の範囲 被相続人か相続人がドイツの居住者であった場合には全世界の財産が相続税の対象となります。 被相続人と相続人の両方がドイツの非居住者であった場合にはドイツ国内の財産のみが対象となります。 ドイツの居住者であるかどうかはドイツの税制に基づいて判断する必要があるため、慎重な検討が必要です。 ・控除額(基礎控除) ドイツの相続税も一定の控除額が設けられておりますが、被相続人との続柄等によりその控除額と税率が異なる仕組みとなっています。 ・税率 ドイツの相続税の税率は累進課税となっています。 財産の金額が大きくなるほど税率も高くなります。 税率は最大で50%(2026年1月現在)となっています。 ・申告と納税期限 相続税の対象となる財産の移転があった場合→原則的にその事実を知ったときから3か月以内に税務当局に対して届出を行う必要があります。 届出後税務当局から通知が到着→通常、通知後1か月以内に申告する必要があります。 申告後、納税額の決定通知書が到着→通常、通知書が届いてから1か月以内に納税期限が到来します。 4-3 シンガポール シンガポールには相続税はありません。 過去には日本の相続税に相当する「遺産税」がありましたが、2008年2月15日以後の死亡について廃止されました。 また、シンガポールにはキャピタルゲイン(資産の売却益)に対する課税もありません。 4-4 香港 香港には相続税はありません。 4-5 中国 中国には相続税はありません。 世界的に見ると、相続税が無い国は意外と多いのです。 続いて、日本と海外の相続税の両方がかかってしまった場合の対処法について解説します。 5章 要注意!海外財産の相続で発生しうる「二重課税」のリスクとその回避策 亡くなった方が日本に住んでいた場合等は海外にある財産についても日本の相続税がかかること、また、海外においても相続税がかかる国があることを説明してきました。 この相続税のルールは各国で定めているため、海外にある財産に対して日本の相続税と海外の相続税の両方がかかってしまう「二重課税」の問題が生じることがあります。 【例】 ドイツに住んでいるドイツ国籍の人が、ドイツに3億円の預金、日本に2億円の不動産がある状態で亡くなった場合 ドイツの相続税→その全ての財産5億円(ドイツにある3億円と日本にある2億円)が対象 日本の相続税→日本にある財産2億円については日本の相続税の対象 さらに、相続人が日本に住んでいる場合は、原則的に日本においても全ての財産5億円が日本の相続税の対象 【イメージ図】 このように、各国の税金が二重でかかってしまうことを「二重課税」といい、これを防ぐために「外国税額控除」という方法があります。 6章 二重課税を合法的に回避する「外国税額控除」制度とは? 「外国税額控除」とは、簡単に言うと、「海外でも日本でも税金を払うことになったとき、日本の税金から海外で払った分を引ける制度」です。 海外の財産にその所在する国の相続税がかかった場合には、その税額を日本の相続税から控除することができる、ということになります。 具体例を示すと以下のようになります。 【例】 前提:日本に住んでいる方が、日本に7億円の財産、海外に3億円の財産がある状態で亡くなった。相続人は日本に住んでいる子ども1人。 日本の相続税:全世界の財産(10億円)に対して日本の相続税4億円が発生 海外の相続税:海外にある財産(3億円)に対して財産所在国の相続税1億円が発生 この場合、全世界の財産にかかる日本の相続税4億円から、外国税額控除によって海外の財産にかかる海外の相続税1億円を差し引き、残りの3億円だけを納めることとなります。 【イメージ図】 一方、日本の財産に海外の相続税がかかった場合には、その税額を日本の相続税から控除することができません。したがってその場合には、海外の相続税額からその国の外国税額控除のルールに基づいて日本の相続税額を控除できるかを検討することとなります。 日本の相続税申告で外国税額控除の適用を受ける場合、その控除額は以下のうち、いずれか少ない金額となります。 ・海外で支払った相続税相当額 (上記例の場合は海外の相続税1億円) ・日本で支払う相続税のうち海外財産が占める割合分の金額 (上記例の場合は、日本の相続税4億円×海外財産3億円/全世界財産10億円=1.2億円) この「外国税額控除」の適用を怠ると、税金を2重で払ったままとなってしまうため、忘れずに適用を受けることが大切です。 【「外国税額控除」についてはこちらの記事をご参照ください】 7章 海外資産の相続税評価における基本的な原則と評価基準 海外の財産が日本の相続税の対象となる場合、海外の財産も日本の財産と同様に基本的には「財産評価基本通達」という一定のルールに基づいて評価します。 しかし、この「財産評価基本通達」は日本の財産を評価することを前提に作られているため、海外の財産にはそのまま使えないことがあります。 その場合には売買実例価額や精通者意見価格等を考慮して評価することとなります。 具体的には、専門家の鑑定額等をベースに評価を行うこととなります。 8章 国際相続に強い税理士がこれだけは伝えたい特に重要な5つのポイント(注意点) 弊社は国際相続にかかる相続税申告を多数手がけておりますが、海外に財産がある場合の相続税の手続きにおいて特に伝えたい重要なポイントは以下の5つです。 ・海外の財産も日本の相続税の対象となるかの判断 日本の相続税を計算する上では、海外の財産も対象となるか、日本の財産だけが対象となるかを判定することが重要です。これによって日本の相続税額が大きく変わることもあります。 ・海外財産の評価 海外の財産の評価は日本の財産の評価と異なり、特殊な判断が必要となります。 財産によっては海外財産が所在する現地の専門家に鑑定を依頼する必要がある場合もあります。 ・外国税額控除 海外財産に対して2カ国以上の相続税がかかっている場合には二重課税を排除するため外国税額控除の適用を検討する必要があります。 ・優秀な現地(海外財産の所在地)の専門家とつながること 日本の相続手続きを依頼している弁護士や相続税申告を依頼している税理士を経由して現地の優秀な専門家とつながることがポイントとなります。 海外財産の所在する国で相続税の申告が必要となった場合、現地の弁護士や会計士等と連携をして申告書を提出する必要があります。 ゼロからいきなり海外の専門家とつながることは困難であるため、日本の相続手続きを依頼している専門家を通して現地の優秀な専門家とつながることが重要です。 ・日本の相続税の申告・納税期限を守ること 海外に財産があったとしても、相続税の申告・納税期限までに申告書の提出と延納等の手続きをすることにより、税金の負担を最小限に抑えることが重要です。 海外の財産を解約し、財産を手にするには1年~2年程度の期間がかかることが通常です。 一方、日本の相続税の申告・納税期限は相続の開始があったことを知った日から10か月以内となります。 そして、この期限を過ぎてしまうとペナルティの税金がかかることとなります。 海外の財産については、期限までにその相続税の納税資金が確保できない状況も想定されます。 その場合においても、相続税の申告・納税期限までに手続きを行い税金の負担を最小限に抑えることが重要です。 9章 海外が絡む相続税でよくある3つの Q&A Q:海外に引っ越せば日本の相続税はかからなくて済むの? A:必ずしもそうとは限りません。 現状の日本の相続税のルールでは、被相続人と相続人の双方が日本国籍で、かつ、過去10年超日本に住んでいない場合、海外の財産には日本の相続税はかからないこととなっています。 しかし、海外に引っ越してそこに10年超住み続けるということには、生活・ビザ・家族・仕事・健康保険・年金など税金以外の様々なハードルがあります。 また、近年の税制改正の経緯としては「税金回避目的の海外移住」を封じるような制度強化が行われてきており、今後もこの傾向は続くものと想定されます。 加えて注意すべきなのは、仮に海外に引っ越して10年超が経過したとしても、日本にある財産は日本の相続税の対象となるという点です。 実際には、海外移住を検討したものの断念をした、というケースが多数となります。 Q:海外の財産はどのように把握する? A:遺言書、通帳、契約書、本人の生前の記録・メールなどを通じて、地道に調査します。 海外の銀行口座や証券口座は、日本のように戸籍等を出せば開示されるわけではなく、現地の法制度に従う必要があります。特にプロベート制度を要する国(アメリカ・イギリスなど)では、裁判所の承認なしには情報が開示されないことが多いため、時間も手間もかかります。 【「プロベート手続き」についてはこちらの記事をご参照ください】 Q:海外財産の申告漏れがあった場合、どんなペナルティがある? A:海外財産の申告漏れがあった場合、自主的に修正申告・納税を行った場合には、利息的な性質である延滞税のペナルティの税金が生じます。税務署から申告漏れの指摘を受けた場合は延滞税に加えて過少申告加算税等のペナルティの税金が生じます。 10章 まとめ 海外の相続税は国際相続に強い税理士に相談しよう 海外に財産がある場合の相続税は、被相続人や相続人の住んでいる場所や国籍、財産の所在地がどこにあるかによりその課税関係が異なります。 日本の相続税だけでなく海外の相続税がかかることもあり、その手続きは非常に複雑になります。 日本の相続税に関する知識だけでなく、海外財産が所在する現地の専門家と連携することも重要です。 相続税の手続きを問題なく進めるためには、まずは国際相続の実績のある日本の税理士のサポートを受けることをおすすめします。 税理士法人マインライフは、新宿・津田沼を拠点に、相続・国際相続の専門家として豊富な実績を持つ少数精鋭の税理士法人です。 年間数百件の相続税申告を担当しており、経験豊富な税理士が必ず最初から最後まで対応します。 マインライフが選ばれる理由 「海外にある財産の相続手続きをどうしたらいいのかわからない・・・。」と感じている方は、ぜひ税理士法人マインライフへご相談ください。 初回面談は無料です。ご状況をお伺いし、今すぐできる最善の方法をご提案いたします。 共に海外財産の相続対策の第一歩を踏み出しましょう。
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海外在住の子・孫への贈与~相続時精算課税制度は使えるか~
「相続時精算課税制度」を利用してお子様・お孫様へ贈与をお考えのあなた 海外在住でも適用が受けられるか心配されていませんか? 実際のところ、通常の要件を満たせば相続時精算課税制度は受けられます。 本記事では、海外在住の受贈者(贈与を受けた者)でも日本の相続時精算課税制度の適用が受けられるのか、 そして、制度を利用する際の注意点について海外税制を踏まえて解説します。 ぜひ記事を読んで、相続時精算課税贈与を行う際の参考にしてください。 第1章 受贈者(贈与を受けた者)が海外在住の場合に相続時精算課税制度は使えるか? 結論、海外在住であっても相続時精算課税制度は使えます。 相続時精算課税制度は、親から子や孫への生前贈与について、「贈与した時点では一定額まで贈与税がかからず、相続が発生した時点で相続税でまとめて精算する」という仕組みです。 相続時精算課税制度についてはこちら(税理士が教える!贈与税がかからない合法テクニック8選「第3章」へ) 日本に住んでいなければ利用できないわけではなく、たとえ受贈者が海外在住であっても相続時精算課税制度の要件さえ満たせば利用可能です。 〈相続時精算課税制度の要件〉 ➀贈与者(あげる人): 60歳以上の父母または祖父母 ➁受贈者(もらう人): 18歳以上の子または孫 ➂手続き:「相続時精算課税選択届出書(一定の書類を添付)」を提出する ※年齢は贈与を行った年の1月1日時点で判定します。 ただし、海外在住者が関与する場合には、税務署に対して納税管理人を定める必要があり、通常の手続きと異なる注意点があります。 第2章 海外在住の子どもに贈与する場合の注意点 海外在住者への贈与はその手続きが日本居住者の場合と異なるケースがあります。以下の点には特にご注意ください。 2-1 納税管理人の届出が必要 海外に住む子どもなどが贈与を受ける場合、日本国内に納税管理人を選任し、税務署に「納税管理人届出書」を提出する必要があります。 納税管理人とは、納税の手続きを代理で行う存在です。例えば、海外に住んでいる人が日本で納税をする必要がある場合に納税管理人の選任が義務付けられています。 ・提出先: 海外在住者が贈与税の申告をする場合は、住所を管轄する税務署がありません。 自分で日本国内のどこかの税務署を定めてそこに届出することになります。 実際には、納税管理人の住所に合わせることが多いです。 ・納税管理人: 誰でもなれる。 日本に住む親族、信頼できる知人、または税理士が選任されるケースが多い。 ・役割: 納税管理人は、申告書の提出や税金の納付など受贈者に代わって税務署とやり取りする法的な窓口となります。 2-2 添付書類を提出することが必要 相続時精算課税制度を使う場合、届出書とともに以下の添付書類を提出する必要があります。 「戸籍謄本・抄本・その他の書類」(次の内容を証する書類) ①受贈者の氏名、生年月日 ②受贈者が贈与者の子・孫などであること ※海外在住者であっても準備する書類に違いはありません。 ※外国籍の場合にはその他の書類(宣誓供述書など)で証明する必要があります。 ※戸籍は日本語なので翻訳は不要ですが、外国語書類は日本語訳を添付する必要があります。 2-3 海外での税務報告義務(米国の場合はForm 3520) 米国に住む子どもなどが日本から贈与を受けた場合、受贈者はForm 3520をIRS(アメリカ内国歳入庁:日本でいう国税庁に相当)に提出しなければなりません。 ・提出基準: 年間10万ドル(1,500万円(150円/1ドル))を超える米国非居住外国人からの贈与を受けた場合に義務発生。相続時精算課税で多額の贈与を受けるケースでは該当することがあるため留意が必要です。 ・提出期限: 翌年4月15日(延長申請をしていれば延長後の期限まで) ・罰則: 未提出の場合、贈与額の最大25%に相当するペナルティが課されることがあります。 したがって、日本側で贈与税をきちんと申告しても、米国側での報告を怠れば重大なリスクを抱えることになります。 2-4 将来相続時に状況が変化し納税義務が発生 相続時精算課税制度は、親から子や孫への贈与について、贈与時点での税負担を軽減し、相続時にまとめて精算する制度です。 将来贈与者に相続が発生した場合、相続時精算課税制度の適用を受けた子どもなどについて相続時の納税義務が贈与時と異なる場合は注意が必要です。 贈与時は全世界に課税される者であったが相続時は日本財産のみに課税されることとなったケース(例 贈与後に贈与者が海外移住し10年超経った場合) 相続税の納税義務の判定では、海外在住者は日本財産のみ課税となることとなるが、相続時精算課税制度により取得していた贈与財産については日本の相続税の申告納税義務が生じる。 →相続時には日本の財産を取得せず、本来相続税の納税義務がない場合であっても、過去の贈与により納税義務が生じるケースとなるため要注意です。 2-5 国外転出時課税制度の対象になる可能性 海外在住者へ贈与を行う場合、国外転出(贈与)時課税制度の対象になることがあります。 国外転出(贈与)時課税制度とは、時価1億円以上の有価証券等を保有している日本居住者がその有価証券等の一部でも海外に住んでいる人へ贈与した場合には、時価により譲渡があったものとしてその含み益に所得税が課税される制度です。 ・対象者(贈与者)の要件: 1 過去10年以内に5年超、日本に住所または居所を有していた 2 贈与時に有価証券等の対象資産を1億円以上保有している ・対象資産: 上場株式、非上場株式、公社債、投資信託などの金融資産(預貯金や不動産は対象外)。 ・課税内容: 含み益に対して贈与時に譲渡したものとみなし課税されます。 例えば評価額1億円・取得価額5,000万円の株式を贈与すれば、5,000万円の含み益に課税される仕組みです。 留意点は贈与する財産の金額で判断するのではなく、贈与時に有価証券等の対象資産を1億円以上保有しているか否かで判定することです。 上記の例においてたとえ贈与する有価証券等が5,000万円であっても贈与者が対象資産を1億円以上保有していれば当該制度の対象になります。 第3章 海外税制との関係と二重課税 海外在住の子どもに日本から贈与を行う場合、「二重課税」と「税務報告義務」に留意する必要があります。 贈与税は日本国内だけで完結するものではなく、受贈者の居住国でも課税や報告が必要となるケースが少なくありません。ここでは代表的な国別の取り扱いと、租税条約の有無による調整について解説します。 3-1 贈与税が課される国・課されない国 各国の贈与税課税、その対象、留意点は以下の通りです。 国・地域 課税有無 課税主体・特徴 非課税枠等 実務上の留意点 日本 あり 贈与者が日本居住者なら受贈者が海外でも課税 相続時精算課税2,500万円の特別控除 受贈者が海外居住なら納税管理人の届出必須 米国 なし (受贈者側) 贈与税は贈与者が負担。受贈者は非課税。ただしForm 3520の提出義務あり 非課税枠はなし(報告義務は10万ドル超) 未提出で最大25%の罰金。二重課税は発生しないが報告義務違反リスク大 ドイツ あり 受贈者居住地主義。居住者は国外からの贈与にも課税 親子間40万ユーロの非課税枠 日本と二重課税になるが条約で調整不可 シンガポール なし 贈与税制度自体が存在しない ― 日本の贈与税のみ対象。 二重課税なし 香港 なし 贈与税制度自体が存在しない ― 日本の贈与税のみ対象。 二重課税なし (1)米国の場合 ・贈与税の課税主体は「贈与者」であり、受贈者(子どもなど)には課税されません。また、贈与者が米国非居住外国人である場合には課税対象外のため米国贈与税はかかりません。 ・ただし、外国から年間10万ドルを超える贈与を受けた場合には、Form 3520の提出義務があります。 ・つまり、日本で贈与税を納めても、米国側で追加課税はありませんが、報告義務違反に伴うペナルティリスクが大きい点が特徴です。 (2)ドイツの場合 ・ドイツは受贈者居住地主義を採用しており、居住者が国外から贈与を受けた場合も課税対象となります。 ・贈与税率は相続税と同じで、親子間なら免税枠は40万ユーロ。これを超える部分には最大30%の税率が適用される可能性があります。 ・したがって、日本で贈与税を納めても、ドイツでも課税されることがあり、二重課税が生じます。 (3)贈与税が課されない国(例:シンガポール・香港) ・シンガポールや香港などの国では贈与税そのものが存在しません。 ・この場合、日本での贈与税のみが問題となり、二重課税リスクは回避されます。 3-2 租税条約による調整の可否 日本は、相続税及び贈与税に関する二重課税の防止等のための条約として、米国との間でのみ「遺産、相続及び贈与に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約」(日米相続税条約)を締結しています。その他二国間での二重課税が生じている場合には外国税額控除で調整をすることが可能です。 外国税額控除についてはこちら 第4章 国際相続(贈与)は「税理士法人マインライフ」へ 国際相続は、国内相続とは比べものにならないほど複雑で、専門家の存在が成功の分かれ道となります。 税理士法人マインライフは、新宿・津田沼を拠点に、相続・国際相続の専門家として豊富な実績を持つ少数精鋭の税理士法人です。年間数百件の相続税申告を担当しており、経験豊富な税理士が必ず最初から最後まで対応します。 マインライフが選ばれる理由 強み 内容 ① 経験豊富な専門家が直接対応 少数精鋭体制で、常に経験豊富な税理士が対応。担当が途中で変わる心配がありません。 ② 相続税申告に特化し、豊富な実績 相続専門の法人だからこそ、1人当たりの担当件数も多く、実践的なノウハウが蓄積されています。 ③ 海外案件にも強い独自ネットワーク 弁護士・司法書士・現地専門家との連携体制が整っており、海外財産や海外在住者の手続きに対応可能です。 ④ 申告だけでなく、相続対策にも精通 単なる申告業務だけではなく、納税資金対策や二次相続設計など、将来を見据えたオーダーメイド提案が得意です。 「国際相続・贈与をどう扱えばいいのかわからない」「外国税額控除を受けたいが手続きに不安がある」―― そのようなときは、ぜひ税理士法人マインライフへご相談ください。 初回面談は無料です。ご状況をお伺いし、今すぐできる最善の方法とスケジュールをご提案いたします。 最初の一歩を踏み出すことが、複雑な国際相続を解決へ導く最大のカギとなります。 第5章 まとめ ここまでの章において受贈者が海外在住の場合でも、相続時精算課税制度の利用は可能ですが、以下の注意点を挙げてきました。 ・納税管理人の届出 ・添付書類の整備 ・居住国での税務報告義務 ・将来相続時の納税義務 ・国外転出時課税との関係 また、居住国によっては、海外の税務報告や二重課税リスクもあります。 したがって、「日本での贈与税申告」+「海外での税務報告(申告)」 を両輪で進めることが重要です。 実務的には、日本と海外双方の制度に精通した税理士や現地専門家に相談し、手続きの漏れや課税リスクを回避することが最善の対応となります。
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海外移住で相続税は避けられる?10年ルールの真実と今後の改正動向
「海外に移住すれば相続税を払わなくて済む」と耳にしたことがある方もいるでしょう。 実際に日本の相続税では、「被相続人及び相続人が10年超海外に住んでいると、一部の財産を除いて日本の相続税が課されない」というルールがあります。 このルールを「10年ルール」といいます。 しかし、実際には国内に残した不動産や預金は課税されますし、今後の税制改正も大きく影響します。 この記事では「10年ルール」の基本と注意点、海外移住で本当に相続税が避けられるのか、さらに今後の税制改正の可能性までわかりやすく解説します。 第1章 相続税の「10年ルール」の3つのポイント 結論からいうと「10年ルール」により相続税を回避するためには以下の3つのポイントを満たす必要があります。 この章ではその3つのポイントについて解説します。 1-1 相続開始前10年超海外に居住している 「10年ルール」により相続税を回避するには、相続開始前10年を超えて日本に住所がないことが要件になります。 なお、日本に住所があるかないかの判定は個別に判断をすることになります。 例えば、日本と海外を行き来している場合には、実質的な生活の拠点が日本にあるのか海外にあるのかを判断し判定をします。 つまり、見かけではなく実態として日本に生活の拠点があると考えられた場合には日本に住所があるものとして課税がされることになります。 1-2 被相続人だけでなく相続人も海外に移住している 「10年ルール」により相続税を回避するには、被相続人(亡くなった人)と相続人(財産を受け取る人)の両方が海外に相続開始前10年を超えて住んでいたことが要件になります。 (相続人が外国籍の場合は相続人が海外に10年を超えて住んでいた要件は必要ありません) 例えば被相続人(父)が相続開始前10年超海外に住んでいたとしても、相続人(子)が日本に住んでいた場合は、原則日本国内にある財産にも海外に所在している財産にも日本の相続税が課されることになります。 つまり、国外移住により日本の相続税を回避するためには相続人も含め家族全員で海外に移住する必要があります。 1-3 財産も全て日本国外にある 「10年ルール」により相続税を完全に回避するには、財産も全て国外に持ち出す必要があります。 例えば、国内の不動産・銀行預金・日本企業の株式(日本の証券会社でなどは、移住の有無にかかわらず相続税の対象となります。 なぜなら、どんな場合でも、日本国内の財産は日本の相続税の課税対象となるからです。 つまり、海外移住により完全に相続税を回避するためには、財産も全て国外に持ち出す必要があります。 ただし、有価証券を海外に持ち出す場合には「国外転出時課税」の適用を受ける可能性があるので注意が必要です。 1-4 フローチャート 海外移住した後に相続が発生した場合に日本の相続税が課されるかどうか」をフローチャートにまとめると次のようになります。 第2章 海外移住だけで相続税回避は難しい では、この「10年ルール」を使い容易に日本の相続税は完全に回避することができるかというと、現実には難しいです。 この章ではその理由を簡潔に記載します。 2-1 「10年を超える居住」だけでは完全に相続税回避はできない 海外移住だけで完全に相続税が回避できるかというと、当てはまらない場合があります。 例えば、日本に財産を残している場合です。 確かに「相続開始前10年を超えて海外に住んでいれば、国外財産には相続税がかからない」というルールは存在します。 しかし、前述したようにこれは「国外財産」に限定される話であり、日本国内に残した財産には相続税が課税されます。 【事例】 母がフランスに12年間住んで亡くなりました。 相続人である娘もフランスに母と同じ12年間フランスに住んでいます。 財産がフランスの銀行預金:5000万円と東京のマンション:8000万円だったとします。 フランスの銀行預金(国外財産):日本の相続税はかかりません。 東京のマンション(国内財産):相続税が課税されます。 このように、海外移住をしても「日本に財産を残している限り、相続税ゼロ」にはならないのです。 2-2 帰国後に亡くなった場合、実質上の居住地の問題、税制改正により相続税が回避できない場合がある 「10年ルール」を満たそうと海外移住しても安心ではなく、相続税が回避できない場合があります。 それぞれのリスクをまずは認識しておくことが重要です。 ・帰国リスク 父が海外に11年住んだ後に帰国し、その数年後に亡くなった場合を考えてみましょう。 この場合、日本に住所があるとみなされ、国外財産も相続税の課税対象となる可能性があります。 つまり「一度帰国したらリセットされる」というイメージです。 ただし、帰国前に10年ルールを満たした状態で財産を贈与した場合には、日本の贈与税は課税されません(もっとも、移住先の国で贈与税等が課される可能性はありますのでご注意ください)。 また、帰国後に亡くなった場合であっても、すでに贈与済みの財産については相続税の課税対象にはなりません。 ・居住地リスク 完全に帰国をしていなくても、頻繁に日本に一時帰国している場合や親族が日本に居住している場合には、課税当局から日本居住者と認定されてしまう可能性があります。 つまり、形式的に海外に住所を移しただけでは日本国内に住所がないとはされません。 ・税制改正リスク 詳しくは後述しますが、富裕層が相続税の回避を目的に海外に移住するのを防ぐために度々税制改正が行われています。 改正の度に要件は厳しくなっていますので、今後も税制改正によりルールが変わってしまうリスクを移住前に認識しておく必要があります。 2-3 海外移住で相続税を回避する上で考慮すべき点 海外移住によって一定のメリットがあるのは事実ですが、それを「相続税ゼロ」に直結させることはできません。 相続税を完全に回避するには、さまざまな制約があるからです。 そのため、相続税を回避するためにはあらかじめ対策をしておく必要が出てきます。 具体的には次のような点を検討する必要があります。 ・財産を国内に残すかどうか 国内に不動産や預金を残していると相続税が課税されるため、すべて国外に移すかどうかが大きな分かれ道となります。 ・移住先国の税制や日本との租税条約の有無 例えばシンガポールは相続税がない国として知られていますが、世界にはアメリカや日本のように相続税が課される国もあります。 したがって、日本の相続税を回避したとしても移住先で相続税が課されてしまうケースもあります。 また、アメリカやフランスのように日本と相続税に関する条約を結んでいる国では、二重課税を防ぐ仕組みがあります。 一方、条約がない国では二重課税のリスクがあります。 ・名義変更手続き 実は海外に移住していた人の相続が発生した場合には、名義変更の手続きに多くの労力と時間がかかります。 現実には言語や現地の法律の問題もあるため一般の方が独力で手続きするのは不可能です。 そのため、専門家に依頼する必要があり、相続税とは別の費用がかかってしまうことになります。 相続が始まる前に「財産を贈与する」、「信託を使う」など承継方法を工夫することで、名義変更の手続きの負担を和らげることができますが、税金とは別の視点で考慮すべき論点です。 ・相続発生のタイミングと移住の時期をどう調整するか 相続開始(被相続人の死亡時)にどこに住んでいるかが重要なので、移住の計画を立てる際には「10年超」という時間軸を逆算して考える必要があります。 まとめると、「海外に移住すれば大丈夫」という単純なものではなく、「どこに住むか」「財産をどこに置くか」「承継の手続きをどうするか」を総合的に考えてはじめて、効果的な相続税対策になるのです。 第3章 10年ルールは変わるか?今後の税制改正の可能性 例え現状は「10年ルール」の要件を満たすことができると考え、海外移住を検討又はすでに海外移住していても、そもそものルールが変わってしまう可能性もあります。 この章では今までの改正の経緯と今後の改正の可能性を解説します。 3-1 日本の税制改正の経緯と今後の考察 相続税のルールは過去から何度も改正されており、海外移住による相続税回避は年々難しくなっています。 もともと日本では、相続人や被相続人が日本国籍を持っているだけで、国外財産も含めて課税されるという非常に広い課税範囲が適用されていました。 しかし、グローバル化の中で海外に生活の拠点を移す人が増え、「国外財産まで日本が課税するのは厳しすぎる」という国際的な批判も出てきました。 しかし、この国籍課税を単純に廃止して、死亡時の居住地でのみ判断をすると相続開始前に短期間だけ海外に移住して国外財産を課税対象から外すという租税回避行為が容易にできることになってしまいます。 そこで課税範囲を一部制限する仕組みとして「5年ルール」が導入されました。 この「5年ルール」では、相続開始前5年以内に日本に住所がある場合は国外財産にも課税されるという内容でした。 しかし、この「5年ルール」を導入しても、実際には富裕層が相続開始前に短期間だけ海外に移住して国外財産を課税対象から外すという事例が相次ぎました。 こうした“抜け道”が広がった結果、2017年の改正で「5年ルール」が「10年ルール」へと延長され、課税逃れが難しくされたのです。 つまり、日本の相続税法は「海外移住による課税逃れを防ぐ方向」に改正され続けており、今後も同じ流れで厳格化が進む可能性が高いと言えます。 3-2 国際的な課税権の動向 日本と同じように相続税(遺産税)を課している国がどのような仕組みになっているかも、今後の改正の可能性を考察するうえで重要になります。 例えば主要国では下記のようになっています。 ・イギリス イギリスでは相続開始前過去20年のうち15年イギリスに居住していた場合には、イギリスに住んでいる者と同様にイギリス国外の財産にも課税されます。 ・フランス フランスでは相続人が過去10年のうち6年フランスに居住していた場合には、フランスに住んでいる者と同様にフランス国外の財産にも課税されます。 ・アメリカ アメリカでは過去の居住期間に応じた取り扱いをしておらず、相続開始時の身分で米国市民(米国に住所がある者)はアメリカ国外の財産にも課税がされます。 したがって、アメリカのように居住期間にかかわらず死亡時だけで判断をする国もあれば、イギリスのようにより長期の期間で判断をする国もあります。 日本よりも長期の居住期間で課税対象の判断をしている国もあるため、日本も同様により長期間で判断することになる可能性は十分あるといえます。 3-3 海外移住を考えるなら税制改正を考慮すべき 制度は今後さらに厳格化される可能性があるため、『将来の改正』を前提に行動することが重要です。 「今は国外財産が課税されない」としても、将来的に再び課税範囲が広がる可能性は十分にあります。 前述したように実際過去にも「5年ルール → 10年ルール」と改正が繰り返されてきました。 ポイントとしてこのように改正があった場合には、相続発生時のルールが適用されることになります。 弊社にご相談があったお客様の中にも、「移住した際には5年ルールだったので5年間であればと相続税の回避を目的に移住したものの途中で10年に期間が延長され相続税は諦めて住みやすい日本に帰国した」という方もいらっしゃいます。 したがって、「今は大丈夫だから」と安心せず、数年先を見越して海外移住は検討する必要があります。 相続税制度は「抜け道をふさぐ方向」に歴史的に改正されてきており、今後も海外移住による回避はますます難しくなると考えられます。 第4章 よくあるQ&A Q1 一時帰国しても大丈夫? 結論:短期間の一時帰国であれば直ちに課税対象になることはありません。 例えば夏休みに数週間だけ帰国して日本の実家に滞在する程度であれば、日本に「住所」があるとは見なされません。ただし、1年の大半を日本で過ごす、住民票を戻す、子どもを日本の学校に通わせるなど生活の拠点が日本にあると判断されると、「日本居住」と扱われるリスクがあります。つまり滞在期間よりも「生活実態」が重要です。 Q2 10年経過したが、日本に帰国したい場合はどうなる? 結論:帰国後に相続が発生すれば、日本の居住者として課税されます。 例えば、父が海外に12年住んだ後に日本に帰国し、3年後に亡くなった場合、亡くなる直前は日本居住者ですので、国内外の財産すべてが日本の相続税の対象になります。したがって、海外移住の「10年ルール」で非課税になっていても、帰国した時点でリセットされるイメージです。 Q3 国籍は日本のままでも適用される? 結論:国籍だけで直ちに課税されることはありませんが、日本国籍者はルールの影響を強く受けます。 相続開始前10年を超えて海外に住んでいる日本国籍者であれば、国外財産は原則課税対象外です。 ただし、日本国籍を持っていると生活の拠点は日本にあるのではと疑われる傾向があります。 国籍を保持するかどうかは税務だけでなく生活全般に関わる大きな判断なので、専門家に相談しながら検討すべきテーマです。 Q4 被相続人、相続人ともに海外に移住したが、それぞれの家族が日本にいる場合は? 結論:日本に残る家族が相続人に含まれていれば、その人には日本の相続税がかかります。 例えば父(被相続人)がアメリカに10年以上住んで亡くなり、相続人の子2人のうち1人はアメリカ居住、もう1人は日本居住だったとします。 この場合、日本に住む子が相続する部分については、日本の相続税の対象になります。 つまり「家族全員が海外居住」でなければ、国外財産も含めて完全に課税を避けることは難しいのです。 Q5 相続税の二重課税になるケースはある? 結論:ありますが、外国税額控除で調整できる場合があります。 例えば、父がアメリカに住んでいてアメリカの不動産を相続した場合、アメリカでも相続税(Estate Tax)がかかり、日本でも課税される可能性があります。 こうした二重課税を避けるために「外国税額控除」という仕組みがあり、海外で支払った相続税を日本の相続税額から差し引けるケースがあります。 ただし、控除には限度があるため、全額が相殺できるとは限りません。 申告も煩雑になるため、国際相続に詳しい税理士に依頼するのが安心です。 第5章 国際相続は「税理士法人マインライフ」へ 国際相続は、国内相続とは比べものにならないほど複雑で、専門家の存在が成功の分かれ道となります。 税理士法人マインライフは、新宿・津田沼を拠点に、相続・国際相続の専門家として豊富な実績を持つ少数精鋭の税理士法人です。年間数百件の相続税申告を担当しており、経験豊富な税理士が必ず最初から最後まで対応します。 「海外の財産をどう扱えばいいのかわからない」「外国税額控除を受けたいが手続きに不安がある」―― そのようなときは、ぜひ税理士法人マインライフへご相談ください。 初回面談は無料です。ご状況をお伺いし、今すぐできる最善の方法とスケジュールをご提案いたします。 最初の一歩を踏み出すことが、複雑な国際相続を解決へ導く最大のカギとなります。 第6章 まとめ いかがだったでしょうか。 今回のコラムを通じて、「海外に移住すれば相続税を避けられる」という単純な話ではなく、10年ルールには厳格な条件があり、国内財産は必ず課税されること、そして制度改正や国際的な課税強化の流れから今後ますます回避が難しくなることをご理解いただけたかと思います。 特に、次のような点が重要です。 ・被相続人と相続人の双方が10年を超えて海外に居住している必要がある ・日本にある財産は移住の有無にかかわらず課税される ・帰国や国籍の保持によって課税対象が広がるリスクがある ・将来の改正でさらに厳格化される可能性が高い つまり、「移住だけで相続税を回避できる」と考えるのは危険であり、資産の置き場所や移住先国の制度、国際的な動きを含めて総合的に検討することが欠かせません。 また、国際相続は制度の違い・言語の壁・申告期限の厳しさなどから、放置すると大きなトラブルに発展するリスクがあります。したがって、相続や移住を検討する段階から、できるだけ早めに専門家に相談することが安心につながります。
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お客様の声
弊社にご依頼いただいたお客様のご感想です。
相続税申告
「着実かつ正確に相続税の算出・手続きを進めてくれた」
神奈川県・70代・男性
相続税申告
「同様の悩みを持つ友人にも是非紹介したい先生です」
神奈川県・50代・男性
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「その後の身の振り方に決心がつきました」
埼玉県・60代・女性
相続税申告
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「綿密な資料やシミュレーションをもとに丁寧な説明をいただき提案内容も納得」
神奈川県・60代・男性
相続税申告
「短期間かつ時差があるにもかかわらず必要書類を間に合わせてくれた」
スペイン(バルセロナ)・50代・女性
相続税申告
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千葉県・50代・男性
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「相続した大切な資産を次に繋げていくために、納得のいく対策がとれました」
東京都・50代・女性
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「準備すべき書類などをわかりやすく教えていただき、行うべきことがはっきりした」
東京都・50代・男性
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神奈川県・30代・男性
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神奈川県・30代・女性
FAQ
よくあるご質問
お客様からいただくことが多いご質問についてまとめています。
Q.
初回相談は無料ですか?費用はいつ、どのように発生しますか。
はい、初回相談は無料です。
まず(対面/オンラインで)状況をお聞きし、業務内容・進め方・お見積書をご案内します。
内容にご同意いただきご契約後に着手し、以降はお見積書どおりの費用がかかります。
追加の作業が必要になりそうなときは、事前にご説明し、あらためてお見積りします。
お客様のご同意なしに費用が発生することはありませんのでご安心ください。
Q.
海外在住の日本人ですが、対応可能ですか。
大丈夫です。
日本の相続税は、海外在住でも課税される場合があります。
当法人はZoomによるウェブ面談の対応もしておりますので、海外からのご相談も可能です。
必要に応じて海外の弁護士・公証人・会計士とも連携します。
Q.
依頼する必要があるかどうかも分からないのですが、この段階で相談しても大丈夫ですか。
もちろんです。少しでも早くご相談いただくことをおすすめします。
特に国際相続は書類集め・翻訳・各国の手続き調整に時間がかかります。
早い段階で論点整理とスケジュール作りをしておくと安心です。
Q.
海外にある財産の相続手続きは、どこから始めればよいですか。
まずは情報の整理からです。
財産の種類・所在国・名義などを確認し、国ごとに必要な手続きをチェックします。
たとえば米国の財産は内容によって、裁判所を通す手続き(プロベート)や金融機関ごとの書類が必要になることがあります。
当法人が現地の弁護士や金融機関と連携しながら進めます。
Q.
海外で作成した遺言書は、日本でも有効ですか。
有効と認められる可能性があります。
遺言の形式は、作成した国や本国のルールを満たせば有効になることがあります。
ただし、日本での手続き(登記や銀行)には翻訳や認証(アポスティーユ等)が必要になる場合があります。
個別の内容を確認したうえでご案内します。
Q.
海外の財産の手続きはどうなりますか。
海外の財産は、原則としてその国での手続きが必要になります。
また、遺産が海外の財産だけでも日本の相続税の申告が必要になる場合があります。
一方、名義変更や解約は財産がある国のルールで行う必要があり、現地の手続き(プロベート・公証・銀行手続き等)が求められることもあります。
当法人が、日本側の申告と海外側の手続きの段取りをまとめてサポートいたします。











