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国際相続・相続税対策に
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    • 2026.08.06
    • 伊藤 千尋

    フランス相続税を徹底解説|日本在住者が注意すべきポイントとは

    フランスの相続税は、日本に住んでいる人にも関係することがあります。 たとえば、フランスに不動産や銀行口座を持つ親が亡くなった場合、日本に住む子どもであっても、フランス側の相続税や相続手続きの確認が必要になることがあります。 さらに、日本の相続税もあわせて確認しなければならないケースがあります。 フランスに不動産や銀行口座を持つ親族がいる方にとって、相続が発生したときの税金はとても分かりにくい問題です。 特に注意したいのは、フランスの相続税は「財産がいくらあるか」だけで決まるものではないという点です。 亡くなった方がどこに住んでいたのか、相続する方が誰なのか、財産がフランスにあるのか、日本にも財産があるのかによって、フランスと日本の両方で税金や手続きの確認が必要になることがあります。 また、「フランスの相続税は高い」と聞いたことがある方も多いかもしれません。たしかに、相続する人との関係によっては税率が高くなるケースがあります。一方で、配偶者や登録パートナー、子どもなど、誰が財産を受け取るかによって扱いは大きく変わります。 この記事では、フランス相続税の基本、日本在住者が注意したいポイント、日本とフランスの二重課税、フランス特有のルールまで、できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく解説します。 ※本記事では、読者がイメージしやすいように、ユーロ表記には日本円の目安も併記しています。円換算は、1ユーロ=約185円として概算しています。実際の申告では、適用される為替レートや評価方法を専門家に確認してください。 【当記事は2026年7月時点の法令・公表情報に基づき作成しております。】 第1章         フランスの相続税ってどんな税金? 結論から言うとフランスにも日本と同じように相続税はあります。 ただし、その税率や制度は日本と異なるものも多いので、ここでは基本的なフランスの相続税の制度について確認していきます。 1-1 フランスには相続税がある フランスには、日本と同じように相続税があります。 フランスの相続税では、「亡くなった人が残した財産全体」にまとめて税金をかけるというよりも、財産を受け取る人ごとに、いくら受け取ったかを見て税金を計算します。 たとえば、同じフランス不動産を相続する場合でも、受け取る人が配偶者なのか、子どもなのか、兄弟姉妹なのか、親族以外の人なのかによって、税金は変わります。 そのため、フランス相続では、いきなり税率を見るのではなく、まず次の4つを整理することが大切です。 「フランスの相続税は何%ですか?」とすぐに税率だけを見るのではなく、まずは家族関係と財産の場所を整理することが大切です。 1-2 フランスの相続税は高い?税率の基本 フランスの相続税は、相続する人によっては高くなることがあります。ただし、「フランスの相続税は一律で高い」というわけではありません。 たとえば、配偶者やフランスの登録パートナー制度であるPACSのパートナー※は、原則として相続税が免除されます。 一方で親から子どもへの相続では、10万ユーロ(約1,850万円)を差し引いた後の金額に対して、段階的に税率がかかります。税率は5%から45%です。 財産を受け取る人 フランス相続税の基本的な扱い 配偶者 原則として相続税はかかりません フランスの登録パートナー、PACS 原則として相続税はかかりません。ただし遺言書が重要です 子ども 1人あたり10万ユーロ差し引き後、累進税率(5%から45%) 兄弟姉妹 条件を満たせば免除される場合がありますが、通常は35%または45% 甥・姪 原則として55%になりやすいです 親族以外の人 原則として60%になりやすいです つまり、フランス相続税では、財産の金額だけでなく、誰に渡すかがとても重要です。 フランスの登録パートナー制度 フランスには、結婚とは別に、カップルが公的に関係を登録する制度があります。 これを PACS(パックス)といいます。 PACSは、日本の読者には少しなじみの薄い制度ですが、簡単にいうと、結婚まではしていないものの、法律上一定の関係として認められるパートナー制度です。 フランスの公的情報でも、PACSは「2人の成人が共同生活を整えるために結ぶ契約」と説明されています。 1-3  生前贈与は「15年さかのぼって」相続税に影響することがある フランスでは、生前贈与も相続税に大きく影響することがあります。 フランスでは、贈与についても、相手との関係に応じて差し引ける枠(控除枠)や税率があります。 そして、この差し引ける枠は、同じ贈る人から同じ受け取る人への贈与について、15年単位で考えられます。 たとえば、母が子どもに20万ユーロ(約3,700万円)を生前贈与した場合、親子間の差し引き枠10万ユーロ(約1,850万円)を贈与時に使います。 その後、15年以内に母が亡くなり、子どもがさらに10万ユーロ、約1,850万円を相続した場合、一般的には、相続時に親子間の10万ユーロの差し引き枠はもう使えません。 さらに、贈与時に使った低い税率の段階も相続時に再利用できない扱いになります。 子どもへの贈与だけに限りません。 兄弟姉妹、甥・姪、親族以外の人など、子ども以外の人に生前贈与をしていた場合でも、その人が相続や遺言によって財産を受け取るときには、過去15年以内の贈与が確認されます。 子ども以外への贈与では、そもそも差し引ける枠(控除枠)が小さかったり、税率が高かったりすることがあります。 つまり、「生前に渡しておけば、相続税は関係ない」とは限りません。フランスでは、過去の贈与が相続時に確認されることがあります。 特に、15年以内の贈与については、相続税の差し引き枠の使い方に影響する可能性があるので必ず記録に残しておきましょう。 記録しておくこと 具体例 いつ贈与したか 贈与日 誰から誰へ渡したか 父から長男へ、母から長女へなど 何を渡したか 現金、不動産、株式など いくら相当か ユーロでの評価額と日本円の目安 フランスで申告したか 贈与申告書、ノタール書類など 日本側で申告したか 日本の贈与税の確認 生前贈与は、相続対策として有効な場合があります。 ただし、フランスと日本の両方の税金、家族間の公平、不動産の名義変更まで考えたうえで進める必要があります。 第2章 相続人が日本に住んでいてもフランス相続税が関係することがある 実は日本に住んでいてもフランスの相続税が課されるケースがあります。 この章ではどのような場合にフランスの相続税が課されることになるのか確認しましょう。 2-1 フランスに不動産や預金がある場合 日本に住んでいる人でも、フランスに財産がある場合は、フランス相続税が関係することがあります。 特に注意したいのが、フランスの不動産やフランスの銀行口座です。 【フランスの相続税が課される財産の例】 ・パリ近郊の自宅 ・フランスの別荘 ・フランスの賃貸不動産 ・フランスの銀行口座 ・フランスの証券口座 ・フランス法人の株式 亡くなった人がフランスに住んでいない場合でも、フランスにある財産はフランス側の相続税の対象になることがあります。 つまり、日本に住んでいる子どもが、フランスにある親の不動産を相続する場合、フランス側の手続きを避けて通ることは難しいと考えた方がよいでしょう。 また、不動産がある場合は、相続税だけでなく名義変更も問題になります。この名義変更では、後ほど説明する「ノタール」という専門家が関与することが多くあります。 2-2 フランスに住んでいる親が亡くなった場合 親がフランスに住んでいる場合は、さらに注意が必要です。 フランスでは、亡くなった人がフランスに住んでいた場合、フランス国内の財産だけでなく、国外にある財産もフランス側の確認対象になることがあります。 たとえば、父は日本国籍だが長年フランスに住んでいる、母はフランス国籍でフランス在住、フランスに自宅と銀行口座がある、日本にも預金や不動産がある、子どもは日本に住んでいる、というケースです。 この場合、「父は日本国籍だから日本だけの問題」と考えるのは危険です。フランス相続では、国籍だけでなく、どこに住んでいたか、どこに財産があるかが重要になります。 財産の場所 具体例 フランス 自宅、銀行口座、証券口座、車、家財 日本 預金、不動産、有価証券、保険 その他の国 海外口座、海外不動産、投資商品 フランス側と日本側の両方で、どの財産が対象になるかを確認する必要があります。 【相続する人がフランスに住んでいた場合】 フランス相続では、亡くなった人だけでなく、財産を受け取る人がフランスに住んでいるかどうかも重要です。 たとえば、亡くなった親は日本に住んでいても、相続する子どもがフランスに長く住んでいる場合、フランス側の課税が問題になることがあります。 フランスでは、相続する人がフランスに住んでいて、かつ過去10年のうち少なくとも6年フランスに住んでいた場合、フランス国内外の財産がフランスで課税対象になり得ます。 ケース 注意点 親は日本在住、子どもはフランス在住 子どものフランス居住歴を確認する必要があります 兄弟の1人だけフランス在住 その人が受け取る財産についてフランス課税が問題になることがあります 元駐在員がフランスに長く住んでいた 過去の居住期間が影響することがあります つまり、国際相続では、亡くなった人の住まいだけでなく、財産を受け取る人の住まいも確認する必要があります。 2-3 フランスの財産にも日本の相続税がかかることがある 次に、フランスの財産と日本の相続税との関係について確認していきましょう。 結論からいうと、フランスにある財産であっても、日本の相続税の対象になることがあります。 日本の相続税は、亡くなった人の日本にある財産だけが対象になる場合と、海外にある財産も含めてすべての財産が対象になる場合があります。 基本として、相続人が日本に住んでいる場合には、フランスにある財産も日本の相続税の対象になる可能性があります。 たとえば、日本に住んでいる子どもが、フランスにある親の不動産を相続した場合、そのフランス不動産も日本の相続税の計算に含める必要があるケースがあります。 具体的には、ケース別に以下のフローチャートに沿って判断します。 また、以下の判定表でも日本の相続税がかかる財産の範囲を判定できます。 ※1 外国人被相続人を除く 外国人被相続人…相続開始時に一定の在留資格を有するもの。 ※2 一時居住者を除く 一時居住者…相続開始時に一定の在留資格を有する者で、相続開始前15年以内の国内居住期間の合計が10年以下であるもの。 ※3 非居住被相続人の前提 非居住被相続人…相続開始前10年以内において、国内に住所を有していた期間中、継続して日本国籍がなかったもの。 2-4 日本とフランスの両方で相続税がかかることはある? はい、あります。 国際相続では、同じ財産について、フランスと日本の両方で相続税が問題になることがあります。 例えば被相続人がフランス在住のフランス人の場合でフランスだけでなく日本にも不動産を有しているとします。 この場合フランスでは日本にある不動産の価格も含めて相続税がかかりますし、その不動産に対して日本の相続税もかかります。 2-5 外国税額控除を適用できる場合がある 「外国税額控除」とは、簡単にいうと、フランスでも日本でも相続税に相当する税金がかかる場合に、日本の相続税からフランスで支払った税金の一部を差し引ける制度です。 フランスにある財産についてフランスの相続税がかかり、その同じ財産が日本の相続税の対象にもなる場合には、日本の相続税申告で外国税額控除の適用を検討することになります。 具体例で見ると、次のようなイメージです。 【例】 前提:日本に住んでいる方が、日本に7億円の財産、フランスに3億円の財産を持った状態で亡くなった。    相続人は日本に住んでいる子ども1人。 日本の相続税:全世界の財産10億円に対して、日本の相続税4億円が発生 フランスの相続税:フランスにある財産3億円に対して、フランスの相続税1億円が発生 この場合、日本では、日本の財産7億円だけでなく、フランスの財産3億円も含めた全世界の財産10億円をもとに相続税を計算します。 一方で、フランスでも、フランスにある財産3億円についてフランスの相続税がかかっています。 このままだと、フランスの財産について、日本とフランスの両方で相続税がかかることになります。 そこで、日本の相続税申告では、外国税額控除によって、フランスで支払った相続税相当額を日本の相続税から差し引ける場合があります。 上記の例では、日本の相続税4億円から、フランスの相続税1億円を差し引き、結果として日本で実際に納める税金は3億円となるイメージです。 ただし、フランスで支払った税金を必ず全額差し引けるわけではありません。 日本の相続税申告で外国税額控除の適用を受ける場合、控除できる金額は、原則として次のいずれか少ない金額となります。 ・フランスで支払った相続税相当額  上記例では、フランスの相続税1億円 ・日本の相続税のうち、フランス財産に対応する部分の金額  上記例では、  日本の相続税4億円 × フランス財産3億円 ÷ 全世界財産10億円 = 1.2億円 この例では、フランスで支払った相続税相当額1億円と、日本の相続税のうちフランス財産に対応する部分1.2億円を比べて、少ない金額である1億円が外国税額控除の対象となります。 そのため、日本の相続税4億円から1億円を差し引き、実際に日本で納める税金は3億円となります。 一方で、日本にある財産についてフランス側で税金がかかった場合には、その税額を日本の相続税から控除できるとは限りません。 この場合には、フランス側の制度において、日本で支払った相続税をフランス側で控除できるかを確認する必要があります。 また、外国税額控除の対象になるのは、原則として相続税に相当する税金です。 フランスで支払った税金であっても、不動産売却時の税金、所得税、登録税、手続き費用などは、相続税の外国税額控除とは別に整理する必要があります。 フランスと日本の両方で相続税がかかる場合には、基本的にはこの外国税額控除の適用を検討します。 外国税額控除の適用を忘れてしまうと、結果として税金を二重に負担したままになる可能性があります。 フランス側の税額が確定する前に、日本の相続税申告期限が来る場合もあります。 日本の相続税申告期限は原則として、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。 一方、フランスでは、死亡がフランスで発生した場合は原則6か月以内、フランス国外で発生した場合は原則12か月以内に相続申告が必要とされています。 特にフランス国外で亡くなったケースでは、日本の申告期限の方が先に到来する可能性があるため、外国税額控除の取扱いも含め、早めに日本側の税理士とフランス側の専門家に相談することが大切です。 第3章 フランス相続で日本人が特に注意したいこと 第2章でフランスの「相続税」の基礎知識について確認しましたが、税制度ではありませんがフランス特有の相続手続きのルールがあります。  3-1 フランスにも日本の「遺留分」のような最低限の取り分のルールがある 遺留分とは、一定の相続人に法律上保障されている「最低限受け取れる相続分」のことです。 フランスには、日本の「遺留分」に近い考え方があります。簡単にいうと、子どもには最低限守られる取り分があるというルールです。 子どもに守られる取り分は、子どもの人数によって変わります。子どもが1人なら財産の2分の1、子どもが2人なら財産の3分の2、子どもが3人以上なら財産の4分の3が、子ども側に守られる部分です。 そのため、配偶者にすべて残したい、フランス不動産を長男だけに残したい、子どもには何も残したくない、親族以外の人に全財産を残したい、といった希望がある場合は注意が必要です。 実際にどの国のルールが適用されるかは、亡くなった人の居住地、国籍、遺言書の内容、財産の場所によって変わります。ただし、フランスに不動産がある場合は、税金だけでなく、誰にどれだけ渡せるかも早めに確認しましょう。 3-2 フランスでは「ノタール」という専門家が重要な役割を持つ フランス相続では、「ノタール」という専門家が重要です。ノタールは日本語では公証人と訳されることがありますが、日本の公証人とまったく同じ役割ではありません。 フランスでは、相続人の確認、不動産の名義変更に必要な書類の作成、遺言書の確認、相続財産の整理、相続税申告に関する手続きなどで、ノタールが大きな役割を持ちます。 日本でいえば、相続税については税理士、不動産の名義変更については司法書士、遺言や相続人間の法的整理については弁護士や公証人に相談するような場面でも、フランスではノタールが相続手続きの中心的な窓口になることがあります。 ただし、相続人同士で争いがある場合の紛争対応や訴訟は、ノタールではなく弁護士が関与する場面もあります。また、日本の相続税申告については、日本側の税理士に確認する必要があります。 特に、フランスに不動産がある場合は、ノタールなしで手続きを進めるのは難しいと考えた方がよいでしょう。 場面 ノタールの役割 フランス不動産がある 名義変更に必要な書類を作成する 相続人を確認する 誰が相続人かを証明する 遺言書がある 内容を確認し、手続きに反映する 財産を分ける 相続人間の分配を整理する 相続税申告 申告や評価に関わることがある 日本側では税理士に相談し、フランス側ではノタールと連携するという流れになることが多いです。 3-3 フランスの登録パートナーは、相続税では配偶者に近い扱いを受ける フランスには、PACSという登録パートナー制度があります。PACSとは、結婚とは別に、2人の関係を公的に登録する制度です。 PACSのパートナーは、相続税では配偶者に近い扱いを受けます。税金だけを見ると、PACSのパートナーは非常に有利です。 たとえば、単なる事実婚の相手や親族以外の人に財産を残す場合、60%という高い税率が問題になることがあります。しかし、PACSのパートナーであれば、相続税の面では配偶者に近い扱いを受けます。 3-4 ただし、登録パートナーは当然に相続人になるわけではない PACSのパートナーは、相続税では有利です。 しかし、遺言書がなければ、当然に財産を相続できるわけではありません。 つまり、PACSについては、相続税の面と、財産を受け取る権利を分けて考える必要があります。 項目 PACSの扱い 相続税 原則として免除されます 自動的に相続できるか 原則として自動ではありません 財産を残すために必要なもの 遺言書が重要です 子どもがいる場合 子どもの最低限の取り分に注意が必要です 「PACSだから安心」ではありません。PACSのパートナーに財産を残したい場合は、PACS+遺言書をセットで考える必要があります。 第4章 ケース別で理解する ここまで大まかにフランスの相続税やフランスの相続制度、日本在住の方や日本人に影響が出る場合を確認してきましたが具体的なケース別に確認しましょう。 4-1 日本に住んでいる子どもがフランスの不動産を相続するケース まず、日本に住んでいる子どもが、フランスにある親の不動産を相続するケースです。 たとえば、父がパリ近郊に50万ユーロ(約9,250万円)の自宅を持っており、子どもは日本に住んでいる場合です。 このケースでは、フランス相続税、フランス手続き、日本の相続税の3つが大きな論点になります。 まず、フランス不動産はフランス側の相続税・名義変更手続きの対象になり得ます。さらに、日本に住む子どもがその不動産を相続する場合、日本の相続税も確認する必要があります。 フランス不動産は、相続後に売却するのか、家族で使うのか、賃貸するのかによっても注意点が変わります。相続税だけでなく、相続後の管理方針まで話し合っておくことが大切です。 4-2 フランスに住んでいる親の財産を日本の家族が相続するケース 次に、フランスに住んでいる親が亡くなり、日本に住む家族が財産を相続するケースです。 このケースでは、親がフランスに住んでいたことが重要です。 亡くなった人がフランスに税務上の住所を持っていた場合、フランス国内外の財産がフランス側で確認対象になる可能性があります。 このケースでは、国籍だけで判断しないことが大切です。 父が日本国籍であっても、長年フランスに住んでいる場合、フランス側の相続税や相続手続きが関係することがあります。 4-3 配偶者に財産を残すケース 次のケース以降からは被相続人がフランスに居住していてフランスの相続税がかかる前提になります。 その上でここでは配偶者に財産を残したいという場合のケースです。 フランスでは、配偶者は相続税の面で非常に優遇されています。 配偶者が相続する場合、フランス相続税は原則としてかかりません。 そのため、夫から妻へ、妻から夫へ財産を残すケースでは、フランス相続税の負担は少なくなることがあります。 つまり、配偶者に財産を残す場合は、税金だけでなく、家族全体の財産分けも考える必要があります。「配偶者は相続税がかからないから安心」と考えるのではなく、子どもの取り分や不動産の使い方まで整理しましょう。 4-4 フランスの登録パートナーに財産を残すケース フランスの登録パートナー、つまりPACSのパートナーに財産を残す場合、相続税では配偶者に近い扱いを受けます。 PACSのパートナーは、遺言で受け取る財産について相続税が免除されるとされています。 ただし、PACSのパートナーは、遺言書がないと当然に相続人になるわけではありません。 PACSは税金面では有利ですが、遺言書がないと財産を受け取れない可能性があります。「PACSだから安心」ではなく、「PACSと遺言書をセットで準備する」と考えましょう。 4-5 子どもに財産を残すケース 親から子どもへ財産を残す場合、フランス相続税では、子ども1人あたり10万ユーロ(約1,850万円)の差し引き枠があります。 ただし、フランス不動産の価値が高い場合や、預金・証券も多い場合は、子どもへの相続でも税金が発生する可能性があります。 4-6 親族以外の人に財産を残すケース 親族以外の人に財産を残す場合は、フランス相続では特に注意が必要です。 親族以外の人に相続させる場合、原則として60%という高い税率が問題になることがあります。 ・友人に財産を残したい ・事実婚の相手に財産を残したい ・長年世話をしてくれた人に財産を渡したい ・血縁関係のない第三者にフランス不動産を残したい この場合、税金が非常に重くなる可能性があります。 また、親族以外の人は、遺言書がなければ財産を受け取れない可能性が高いです。 さらに、子どもがいる場合は、子どもの最低限の取り分にも注意が必要です 第5章 国際相続は「税理士法人マインライフ」へ 国際相続は、国内相続とは比べものにならないほど複雑で、専門家の存在が成功の分かれ道となります。 税理士法人マインライフは、新宿・津田沼を拠点に、相続・国際相続の専門家として豊富な実績を持つ少数精鋭の税理士法人です。年間数百件の相続税申告を担当しており、経験豊富な税理士が必ず最初から最後まで対応します。 マインライフが選ばれる理由 「海外の財産をどう扱えばいいのかわからない」「外国税額控除を受けたいが手続きに不安がある」―― そのようなときは、ぜひ税理士法人マインライフへご相談ください。 初回面談は無料です。ご状況をお伺いし、今すぐできる最善の方法とスケジュールをご提案いたします。 最初の一歩を踏み出すことが、複雑な国際相続を解決へ導く最大のカギとなります。 第6章 まとめ いかがだったでしょうか。 本コラムでは、日本在住者がフランスの財産を相続するケースを前提に、フランス相続を「税務」(フランス相続税・日本の相続税・外国税額控除)と「相続手続き」(ノタール・遺言書・遺留分)の両面から整理しました。 フランス相続で重要なのは、「相続税率が高いかどうか」だけではありません。 亡くなった人がどこに住んでいたか、相続する人がどこに住んでいるか、財産がどこにあるか、誰が相続するかによって、フランス相続税の対象になる範囲や税負担が変わります。 特に、フランスに不動産や預金がある場合、親がフランスに住んでいる場合、相続人がフランスに長く住んでいる場合は注意が必要です。 「フランスに財産がある」時点で、国際相続として整理する必要があります。 早めに財産一覧、登記資料、銀行口座、遺言書、生前贈与の記録を整理し、日本側の税理士とフランス側のノタールに相談することで、申告漏れ、手続きの遅れ、不要な税負担、家族間のトラブルを防ぎやすくなります。
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    • 2025.10.27
    • 川崎 朝輝

    サラリーマンの「節税教科書」/12の見落としチェックで月の小遣い◯万円アップ!?

    物価の高騰が止まらない。 スーパーでの買い物、電気代やガス代の請求書…。 生活費がじわじわ増えているのに、手取りは変わらない。 そして、給与明細やボーナス明細をみると「こんなにたくさん引かれるのか」と感じませんか? まだまだ子どもの学費もかかるのに大丈夫なのか??と不安になりますよね。 税金対策について耳にすることもあるけどよくわからなくて手が出せないという方も多いと思います。 しかし、実際に “払いすぎている税金”を抑えられる方法がいくつもあります。 そして、実は、一度実行してしまえば、そのまま継続、もしくは、毎年同じことをするだけで同じ効果が得られる対策が多いです。 対策している人としていない人で毎年数十万円の差が出てくることもあります。 この記事では、サラリーマンがおさえるべき節税策を整理し、「今年すぐにできること」から「将来の安心につながる仕組みづくり」まで、優先順位をつけて紹介します。 「どれから手をつければいいのか分からない」という方でも、この記事を読み終える頃には、あなた専用の“マイ節税プラン”が手に入ります。 少しでも早く、対策を実行し手取りアップを目指しましょう!! 税金対策はその人の状況にあったものや同じ対策をしても人によって効果が異なります。 まずは、どのような効果があるのかを理解するためにもサラリーマンが支払う税金の基本を簡単に確認しましょう。 第1章 サラリーマンの税金ってどうなってるの? サラリーマンの税金は、図の流れで計算します。 納める税金が計算されるまでに控除できるものがいくつもあります。第2章以降で紹介する税金対策は控除の種類が違うのでどの控除なのかが分かると理解が深まります。 ① 給与所得控除 給与所得控除とは、サラリーマンに認められたみなし経費です。 まず、所得税と住民税は“もうけ”にかかる税金です。 たとえば、ある八百屋さんの売上が1,000万円あったとします。 野菜の仕入れやお店の家賃などの経費に700万円使ったとしたら、残りの300万円が“もうけ”です。 所得税と住民税はこの“もうけ”の300万円に対してかかります。 サラリーマンもスーツ代や新聞代など仕事のためにお金を使いますが、1つ1つ経費を計算するのは大変です。そこで国が用意した制度が給与所得控除です。 「サラリーマンも仕事に必要なお金がかかるはずだから、実際に払っていなくても、収入に応じて“みなし経費”を差し引きますよ」という仕組みです。 控除の金額は収入に応じて自動的に決まっています。 年収500万円の場合  500万円×20%+44万円=144万円 になります。 なお、介護や子育て世帯の場合、上の表で計算する金額に加えて次の金額も控除することができます。 (給与等の収入金額(上限1,000万円)-850万円)×10% 年収900万円の場合(介護や子育て世帯)  195万円+(900万円-850万円)×10%=200万円 年収1,200万円の場合(介護や子育て世帯)  195万円+(1,000万円-850万円)×10%=210万円 給与所得控除は、年収に応じて自動的に決まり、意図的に操作できるものではないため、基本的に税金対策で活用するものではありません。 ② 所得控除 所得控除とは、生活をしていく上で必要なお金には税金をかけないように控除してくれる仕組みです。 国民年金や健康保険料(社会保険料)の支払、家族を養うために必要な生活費、医療費がたくさんかかったなど、必要不可欠な費用については税金をかけないようにしてくれています。 ~所得控除をお小遣いで考えてみる~  月のお小遣い:5万円  生活などで必ず出るお金 合計 3万円  ・ ランチ代 : 1日1,000円 × 20日 =20,000円  ・ 仕事上のコーヒー代 : 5,000円  ・ スマホ代などの通信費 : 5,000円  残り(自由に使えるお金) 2万円 必ず出るお金の3万円を所得控除と考えると、お小遣い全体の5万円から3万円を控除した自由に使えるお金の2万円にのみ税金がかかるということです。 実際に自由に使えるからといって、お小遣いの2万円に税金がかかったら我慢なりませんが…。 ただ、この2万円、いや、お小遣いの5万円が税金を徴収された後の手取りの一部です。節税が成功すれば手取りが増え、この5万円のお小遣いも増えるはずです!! 所得控除を上手く使う(生活に必要なお金が多いと判断してもらう)ことにより税金を抑えることができます。 給与収入(年収)から給与所得控除、所得控除を控除した金額(課税所得)に定められた税率を乗じて税金を計算します。次は税率について説明します。 ③ 税率 所得税  所得税は図のように、もうけが大きい人ほど税率が上がっていきます。 例:課税所得が500万円の人の場合 195万円×5%+(330万円−195万円)×10%+(500万円−330万円)×20%=572,500円 500万円すべてに20%をかけるのではなく、段階的に税率が適用されます。 また、②の所得控除は税率をかける前に控除するため、税率が高い人(所得が高い人)ほど節税の効果が大きくなります。 (例:100万円控除ができる場合、税率が20%なら20万円の効果、45%なら45万円の効果) 住民税  住民税は、「所得割(原則一律10%)」と「均等割(定額・数千円程度)」の2つで構成されます。  自治体の非課税要件に該当しない場合は、10%の所得割に均等割が加わります(均等割の金額は自治体により多少異なります)。  なお、住民税は前年の所得に基づき翌年度に課税されます。つまり、今年の収入に応じた住民税は来年徴収されるため、住民税の節税の効果は1年遅れて現れます。 ④ 税額控除  税額控除は、税率を乗じて計算された税金の額から“そのまま差し引いて”くれます。  そのため、控除される金額が同額であれば、所得の高い人も低い人も同じ効果になります。  税額控除は、国がこういう行動をしてくれた人には応援したいという目的で作られています。つまり、国が行う税制支援と考えられます。  例えば、住宅ローン控除は住む家を買う人を応援する制度で年末のローン残高の0.7%(令和7年に居住開始の場合)を税金から控除してくれます。  いかがでしょうか?サラリーマンが納める税金について理解できましたか?  ざっくりで構いませんので計算構造(収入 → 控除 → 税率 → 税額控除の流れ)を理解し、次章の具体的な節税策を確認していきましょう。 第2章 サラリーマンが使える12の節税策【一覧表/チェックリスト】 まずは、節税策の一覧表をご覧ください。  それぞれの制度について、この一覧表をみながら第3章の各制度の解説をご確認ください。  対策したいと思う制度をチェックし、ご自身で必要な対策を記録しておきましょう。 【一覧表/チェックリスト】 【PDF ダウンロード用】 第3章 節税策の詳細内容 3-1 ふるさと納税 ★★★★★(特におすすめ) ふるさと納税は、サラリーマンがすぐにできるおすすめの節税策です。 はっきり言って、やらないのはもったいないです。 具体的な内容について確認をしていきましょう。 3-1-1 ふるさと納税とは? 応援したい自治体に寄附すると、翌年の住民税や所得税が軽くなる制度です。 実質の自己負担は2,000円で、返礼品も受け取れます。 ※その年の寄附は12/31までが対象(まだの方はお早めに)。 3-1-2 ポイント付与の禁止(令和7年10月以降) 寄附サイトのポイント付与が廃止されました。 これは、自己負担2,000円で返礼品がもらえるだけでなく、ポイントが付与されるのはお得すぎて制度のバランスが崩れるという指摘があったためです。 ポイント付与されなくなってもお得であることは変わりませんので、やる価値は十分にあるでしょう。 3-1-3 ふるさと納税の限度額 ふるさと納税の限度額とは、2,000円の自己負担額で自治体に寄付できる限度額のことです。 税金を多く納めている人ほどふるさと納税の限度額は増えます。 例えば、年収650万円/配偶者を扶養/子ども1人(16歳未満)場合の限度額は約7万円です。 同じ年収、家族構成でも他の控除の有無などによって限度額が異なります。ふるさと納税のサイトなどでご自身の限度額について細かく調べることができます。 必ず、ご自身の限度額を確認の上、実行しましょう。 限度額を超えてふるさと納税をすると、自己負担が2,000円でおさまらず負担額が増えてしまいます。 ふるさと納税をする方法はネットショッピングとほとんど同じで難しくありません。 なお、ふるさと納税の限度額が少ない人は、費用対効果を考えるとあまりお得にならない場合があります。 限度額内であれば、1万円の寄付額でも、10万円の寄付額でも自己負担の2,000円は変わりません。 1万円の寄付でもらえる返礼品と自己負担の2,000円を比べると高くつく場合もあります。 3-1-4 控除を受けるための2つの手続き 控除を受けるための手続きは、「ワンストップ特例」と「確定申告」の2つあります。 ワンストップ特例:その年の寄附先が5自治体以内。寄附時にもらう申請書を翌年 1/10必着で提出。 確定申告:寄附先が6自治体以上、または医療費控除などで申告する人。翌年3/15までに申告。 ~返礼品選びのコツ~ 冷凍品をまとめて頼むのはやめましょう。冷凍庫に入らなくなります。 冷凍庫に入らず、その日の夕食が決まってしまうことも・・・。  私はその経験を経て、返礼品は豪華な冷凍グルメではなく、米やトイレットペーパーやティッシュなどの生活必需品にして、浮いたお金で(ふるさと納税関係なく)食べたい時に豪華なグルメを食べます。 3-2 住宅ローン控除 ★★★★★(住宅購入を検討中の方、必見!!) 住宅ローン控除は控除額が大きく、家計への影響は年間数十万円にもなります。 マイホームを購入するか迷われている方は、この制度の有無で購入判断を左右する材料になるくらい大きな制度です。 3-2-1住宅ローンとは? 住宅ローン控除とは、ローンでのマイホームを買う人を国が後押しする税制優遇(第1章の④税額控除)です。 年末のローン残高×0.7%(令和7年に居住開始の場合の控除率で控除額には上限があります)をその年の所得税から直接差し引くことができます。 所得税で控除しきれない金額の一部は、翌年の住民税から控除することができます。 なお、控除の上限や適用できる年数については、購入する住宅の省エネ性や子育て世帯かどうかにより異なります。住宅の要件、控除率や控除上限については頻繁に改正が行われていますのでご注意ください。 控除率や上限などを下表に纏めました。(令和7年に居住開始した場合になります。) ※エネルギーは「エネルギー消費性能向上住宅」、特定エネルギーは「特定エネルギー消費性能向上住宅」の略です。認定住宅を含め、それぞれ一定の基準が設けられています。  子育て世帯とは、40歳未満の夫婦の方や19歳未満の子どもを扶養している世帯などです。 実際に適用を受ける場合には、細かな要件や基準が設けられておりますので事前によく検討をするようにしましょう。 また、ご夫婦でペアローンにすると、ご夫婦それぞれで住宅ローン控除の適用を受けることもできます。借入方法なども検討をする必要があります。 3-2-2 控除を受けるための手続き 住宅ローン控除の適用を受ける初年度は必ず確定申告をする必要があります。2年目以降は年末調整で適用を受けることが可能です。 年末調整とは?  会社が、1年分の給与と各種控除の情報をもとに、毎月の源泉徴収(前払いしていた所得税)を清算し、税額を正しく調整する手続きです。  つまり、1年間の税金の清算を会社が代わりにやってくれる仕組みです。  そのため、収入が給与だけの人などは、原則として確定申告は不要になります(※医療費控除やふるさと納税の確定申告、複数社から給与がある等は除く)。  これにより、ほとんどの従業員は確定申告をする必要がありませんし、税務署も受け付ける確定申告の数が少なくなります。 ~年末調整を飲み会の清算で考えてみる~  幹事が事前に1人5,000円ずつ集金していましたが、実際の会計はクーポン適用で1人4,800円になりました。そのため、幹事が参加者全員に差額200円を返金して清算しました。  年末調整に当てはめると…  ・ 5,000円集金 → 毎月の給料から見込みで多めに引く(源泉徴収)  ・ クーポン適用 → 保険料控除・配偶者控除などをまとめて反映  ・ 幹事が清算 → 会社が年末に正しい税額を再計算  ・ 200円返金 → 払いすぎた税金の還付 →  参加者(従業員)一人ひとりがレジで会計(確定申告)しなくても、正しい金額の支払(納税)になります。   ※年末調整により控除を受けることができる規定は、確定申告でも適用を受けることができます。 勤務先の会社に資料の提出などが間に合わず、年末調整で控除してもらえなかった場合などは確定申告を行いましょう。 3-3 新NISAとiDeCo ★★★★☆(制度の違いと使い分け方) 新NISA=将来の運用益に税金がかからない制度(利益・配当・売却益が非課税)。 iDeCo=拠出する掛金が「所得控除」になり、拠出した年の税金が軽くなる年金制度(60歳まで引き出し不可)。 3-3-1 新NISAとは? 新NISAは、投資により生まれた利益(配当や売却益など)を非課税にする制度です。通常、投資で得た利益には約20%の所得税等と住民税がかかります。(投資により生じた利益についての税率は基本的に一律です。) NISA制度は改正により令和6年から投資できる金額の上限が増えるなど使い勝手が良くなりました。 “新”が付いているのは令和6年以降のNISA制度のことです。 年間上限:つみたて投資枠 120万円/成長投資枠 240万円(併用で年360万円まで)です。 非課税保有限度額は1,800万円(うち成長枠は1,200万円まで)です。 非課税期間は無期限、売却すると売却分の枠が翌年に復活します。 3-3-2 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは? iDeCoは、自分でつくる年金制度です。 給与の一部を将来の自分のために年金として積み立てます。 その積み立てのために拠出した掛金は、全額が控除(第1章の②所得控除)できます。 所得控除のため、所得が高く税率の高い人ほど効果が大きくなります。 なお、自分でつくる年金制度のため、拠出した掛金は原則として60歳までは引き出すことができません。 また、勤務先の年金制度により拠出できる掛金の上限が異なります。 令和7年の掛金限度額は次の通りです。掛金限度額は改正により頻繁に変更されているためご注意ください。  ・企業型DCなし:月23,000円まで  ・企業型DCあり:月20,000円まで 拠出した掛金は自分で選んだ運用商品で運用することになりますが、そこで生じた運用益は非課税になります。 60歳を超えて受取る際は、一時金受取だと退職所得控除、年金受取だと公的年金等控除が受けられ一定の金額までは税金がかかりません。 3-3-3 新NISAとiDeCoの違いのまとめと使い分け 新NISAとiDeCoの違いをまとめると以下の通りになります。 最も注意すべき点はiDeCoの引き出せる時期が60歳以降という点です。 節税にはなりますが、それ以上に掛金を拠出するため、毎月の手取額は減少します。 日々の生活資金が厳しい方や、教育費などにお金がたくさんかかる時期はおすすめできません。 将来に備え貯蓄する資金がある方は、単に銀行に預けておくよりも、iDeCoを活用して税制優遇を受けながら積み立てるのがよいでしょう。 新NISAも運用益が非課税となる制度のため、運用により利益が出ないとメリットがありません。 運用が損の場合は新NISAを活用しても税制のメリットは全くありませんし、資産が目減りしてしまいます。 運用は慎重に行いましょう。 生活費や教育費など流動性が必要な時期は新NISAに比重を置き、資金に余裕が出てきたら老後資金の確保のためにiDeCoの掛金を増額するというのが無理ない活用方法だと思います。 ~新NISAとiDeCoをダイエットで考えてみる~ 皆さんは、ジム通いをしたことがありますか? 脂肪を燃焼するためには、ランニングなどの有酸素運動も効果的ですが、筋トレをして筋力をUPすることで代謝を上げることも効果的といわれています。 新NISAとiDeCoの違いは筋トレとランニングの違いに似ています。 ・新NISAは筋トレ  →すぐには変化が見えにくいけれど、続けるほど代謝(お金を増やす力)が上がります。   将来、放っておいても太りにくい(税金を取られにくい)体質(家計)ができます。 ・iDeCoはランニング  →やればすぐに脂肪(税金)が減り、成果が出るのも早いです。   しかし、長く続けないとすぐに戻ってしまいます。 これは、どちらか一方ではなく合わせて行うことで効果が上がるでしょう。 筋トレをして代謝を上げながら、時間や体力の余裕に応じてランニングをすることが大事です。 両方を上手く組み合わせて、健康で強い家計体質を作りましょう!! 3-3-4 新NISAとiDeCoを受けるための手続き 新NISAについては、証券会社や銀行でNISA専用口座を開設し、その口座で投資や運用を行えば自動的に非課税として取り扱われます。 iDeCoについては、年末調整で控除することができます。 毎年10月ごろに国民年金基金連合会から受け取る「小規模企業共済等掛金払込証明書」を会社に提出して年末調整で精算してもらうようにしましょう。 3-4 社会保険料控除 ★★★★☆(家族分も忘れずに) 社会保険料は、健康保険料や厚生年金保険料などが該当します。 ご自身の社会保険料だけでなく、家族の分も控除できる場合がありますので控除をうまく使うことで税金を抑えることができます。 3-4-1 社会保険料控除とは その年に支払った社会保険料を、所得から差し引ける(所得控除)制度です。 会社員なら、給与から天引きされる健康保険料・厚生年金保険料などが自動的に対象になります。 3-4-2 家族分も控除できる(生計一親族) 自分の分だけでなく、生計一親族分を払っている場合は、社会保険料控除に含められます。 ※「生計一」とは、同居が原則ですが、仕送り等で家計を一体で賄っていれば同居でなくても該当します。 例:大学生の子どもの国民年金保険料、配偶者の国民年金保険料や介護保険料など 3-4-3 いちばん大事:払った人の控除になる!! 社会保険料控除は実際の支払者から差し引かれます。  妻の年金から天引きや妻の口座から引落しされている場合は、妻が支払者となり妻の控除となります。 したがって、夫から控除することができません。  夫から控除するためには、夫の口座からの引落し、もしくは、現金払いにする必要があります。 (給与から天引される社会保険料などは基本的に支払方法を変更することができません。) 社会保険料控除は所得控除のため、税率の高い人から適用を受けた方が有利です。 奥様の税率が低い(若しくは税金が発生しない)のであれば、ご主人から控除した方が世帯全体では有利になります。 3-4-4 控除を受けるための手続き 年末調整で控除することができます。 「社会保険料控除証明書」や「領収書・口座振替控えなど」を会社に提出して年末調整で清算してもらうようにしましょう。 3-5 医療費控除・セルフメディケーション税制 ★★★☆☆(狙える年にまとめて使う) 医療費控除は、医療費の負担が多い年に税金の優遇が受けられる制度です。 医療費を同じ年にまとめることで税金を抑えられる場合があります。 3-5-1 医療費控除とは? 1年間(1月〜12月)に支払った医療費が多い年に、所得から差し引ける所得控除(200万円限度)です。 自分や家族(生計を一にしている配偶者・子ども・親など)の医療費を合計して、10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた分が控除の対象になります。 なお、医療費の負担が多い場合に差し引ける制度のため、入院給付金など補填されたものは除く必要があります。 3-5-2 対象になる医療費 対象になる医療費は次のような治療目的の支出です。 ・病院・歯科での診療費・治療費 ・処方箋による薬代 ・通院のための交通費(公共交通機関分) ・入院費・部屋代・食事代(自己負担分) ・出産費用(分娩料・入院費など) ・整骨院・整体(治療目的のものに限る) 美容目的や予防目的の支出(美容整形・サプリ・予防接種など)は対象外です。 あくまで『治療のために支出』したものが対象です。 3-5-3 控除を受けるための手続き 医療費控除は年末調整では対応できません。 控除を受けるためには確定申告が必要です。 なお、医療費の領収書などは、税務署への提出は不要ですが、保管をしておく必要があります。 適用を受ける年の領収証は大事に保管をしておきましょう。 3-5-4 よくある誤解と効率的に使う方法 医療費控除は、10万円超えたらすべて控除できるわけではありません。 年間の医療費合計が11万円の場合、控除できるのは11万円ではなく1万円(11万円-10万円)だけです。 そのため、医療費の支払が多い年はできる限りその年に医療費を集めることで有利になります。 たとえば、入院や出産などがあり、今年すでに11万円の医療費の支払いがあったとします。そして、歯医者で20万円のインプラント治療を勧められました。 急いで今年中にインプラント治療をするのとスケジュールに無理がない翌年に行うのとどちらが良いでしょうか? (翌年、医療費がかからない前提で考えます。) ・今年インプラント治療受けた場合  今年 医療費31万円 → 控除21万円  翌年 医療費 0   → 控除0    控除合計 21万円 ・翌年インプラント治療を受けた場合  今年 医療費11万円 → 控除1万円  翌年 医療費20万円 → 控除10万円 控除合計 11万円 このように、今回のケースでは今年治療を受けた方が、控除額が10万円多くなります。 医療費の支払を調整することは難しいですが、年末年始に必要な通院や歯医者など多少の調整ができるものもあると思います。 可能な限り、医療費の支払が多くなる年に医療費の支払いをまとめることで控除を多く取りましょう。 ただし、医療費控除の上限は200万円になっていますのでご注意ください。 また、医療費控除は生計一親族の分を合計できます。また、医療費控除は所得控除です。 そのため、所得の高い人から控除をした方が有利になります。ご夫婦共働きの場合は、所得の高い方から控除をするようにしましょう。 なお、社会保険料と同じく、実際の負担者からの控除となりますのでご注意ください。 3-5-5 セルフメディケーション税制の検討も 医療費控除の代わりに、「セルフメディケーション税制」を使う方法もあります。 セルフメディケーション税制とは、市販薬(スイッチOTC医薬品)を12,000円以上購入した場合にその超えた金額(88,000円限度)を所得から差し引ける所得控除です。 考え方は医療費控除と同様です。 ただし、医療費控除と併用して適用することはできませんのでご注意ください。 また、セルフメディケーション税制を使う場合は、健康診査など「健康の保持増進及び疾病予防に関する一定の取組」を行っている必要があります。 3-6 配偶者控除・配偶者特別控除 ★★★☆☆(“壁”を意識して上手に調整) 配偶者控除・配偶者特別控除は、適用の可否や控除金額について、細かく所得基準が設けられています。 この基準(壁)を確認し、控除を有効に使うことが大事です。 3-6-1 配偶者控除・配偶者特別控除とは? 配偶者控除・配偶者特別控除は、所得が少ない配偶者(主に専業主婦・主夫など)を扶養している人の税金を軽くする制度です。 配偶者控除は、配偶者の所得が58万円以下(給与収入で123万円以下)であれば、配偶者控除を受けることができます。 配偶者の給与収入が123万円を超えると、次の「配偶者特別控除」に切り替わります。 配偶者特別控除は給与収入が201万5,999円までは適用されますが、控除額が段階的に減額されます。 なお、いずれの規定も適用を受ける人(扶養する人)の所得が1,000万円(給与収入だと1,195万円:介護・子育て世帯の場合は1,210万円)を超える場合は適用できません。 ※介護・子育て世帯の場合は、表上の(本人の年収)の金額に15万円を加算してください。 給与収入が一定の金額を超えても、控除額は段階的に減少されるため、急に税負担が増えることはありません。しかし、頑張って収入を増やしても自身の税金が発生するだけでなく、配偶者の税金も増えることになります。 また、注意が必要なのが社会保険料です。 給与収入が130万円(勤務先に規模などよっては106万円)以上になると、社会保険の扶養から外れ自分で保険料を負担する必要が生じ、手取りが大きく減ることもあります。 万が一、社会保険の扶養から外れてしまった場合は、「3-4社会保険料控除」で紹介した通り、所得の高い人(税率の高い人)から控除を受けるように準備をしておきましょう。 3-6-2 配偶者控除・配偶者特別控除の適用を受けるための手続き 年末調整で控除することが可能です。 会社に配偶者の年収見込額を申告することで、会社が控除額を算出し年末調整してくれます。 3-7 扶養控除・特定親族特別控除 ★★★☆☆(子ども・親の扶養を見直す) 扶養控除・特定親族特別控除は、配偶者を除いた家族(子ども・両親・祖父母など)が対象となります。 配偶者・配偶者特別控除と同様にその家族の所得に応じて適用の可否や控除金額について所得基準が設けられています。 また、その家族の年齢によっても控除できる金額が異なります。 ※年齢はその年の12月31日現在の年齢です。 3-7-1 扶養控除・特定親族特別控除とは? 扶養控除は、一緒に生活している家族(生計を一にする親族)の所得が少ない場合に、扶養している人の税金を軽くする制度です。 その家族の所得が58万円以下(給与収入で123万円以下)であれば、扶養控除を受けることができます。 ただし、児童手当が支給されるため16歳未満の子どもは対象外となります。また、児童手当の拡充により16歳以上19歳未満は控除額の縮小が予定されています。 ※直系尊属とは、父、母、祖父母などが該当します。 なお、19歳以上23歳未満は配偶者控除と同じように給与収入が123万円を超えると、「特定親族特別控除」に切り替わります。 特定親族特別控除は、令和7年以降から適用される規定で給与収入が一定の金額を超えた場合、急に扶養している人の税負担が上がるのを避けるために設けられました。 配偶者特別控除と同じく、段階的に控除額が減額されるため、急に税負担が増えることはありません。しかし、頑張って給与収入を増やしても自身の税金が発生するだけでなく、扶養している人の税金の負担も増えることになります。 また、誰から控除を受けるか選ぶことも必要です。 たとえば、両親が共働きで16歳の子どもがいる場合、両親ともに扶養控除を受けることはできません。扶養控除が受けられるのは父、母どちらか一方のみになります。 では、父と母どちらから扶養控除を受けた方が良いのでしょうか?? 扶養控除は、所得控除になります。税率を乗じる前の控除ですので税率の高い人(所得の高い人)から控除した方が有利になります。 したがって、共働きの場合は、所得の高い方から扶養控除の適用を受けるようにしましょう。 3-7-4 扶養控除・特定親族特別控除の適用を受けるための手続き 年末調整で控除することが可能です。 会社に扶養親族の生年月日や年収見込額を申告することで、会社が控除額を算出し年末調整してくれます。 ~○○万円の壁を整理してみた~  年収には、税金や社会保険の取り扱いが変わる境目(いわゆる「壁」)がいくつかあります。制度ごとに壁の年収が異なるため分かりづらいのですが、要点をまとめます。 注意したい主な壁 ・社会保険の負担の壁 106万円もしくは130万円(勤務先の規模などにより異なる) ※ 加入した月以降の毎月保険料が発生します。 19歳以上23歳未満は150万円の特例があります。 ・扶養控除の適用の壁 123万円(特定親族特別控除に切り替わる19歳以上23歳未満以外) ※ 超えると一般の扶養控除は適用できなくなります。 23歳の子どもが壁を1万円超えたことで、親の税金が10万円増えるということがおきます。 あまり気にしなくていい壁 ・住民税・所得税がかかる壁 110万円と160万円(各種控除や扶養している親族がいない場合) ※ 壁を越えても、税金がかかるのは「超えた部分」に対してのみです。 そのため、壁を越えたことにより超える前よりも手取りが減るということはありません。 なお、住民税がかかる壁の金額については、住んでいる地域により多少異なります。 ・上記以外の壁 ※ 配偶者特別控除や特定親族特別控除に「切り替わる」「段階的に縮小」「適用がなくなる」もので壁を超えることで急に税負担が増えるというものではありません。 3-8 生命保険料控除・地震保険料控除 ★★★☆☆(小さな積み重ねが効く控除) 控除額は大きくありませんが、毎年きっちり使えば10年で確かな差になります。 年末調整で控除できるため、大きな手間なく効果が得られます。 必要な保険に加入しつつ、税金もしっかり抑えるのが賢い選び方です。 3-8-1 生命保険料控除とは? 生命保険や個人年金保険などに加入している人が、1年間に支払った保険料の一部を所得から差し引ける(所得控除)制度です。 控除額は大きくありませんが、毎年使えるので、長く続けると意外に大きな効果になります。 3-8-2 控除の種類と上限額(平成24年以降契約の新制度の場合) 生命保険料控除の区分と上限は次のとおり(所得税/住民税で上限が異なります)。  ※令和8年は、23歳未満の扶養親族がいる場合は6万円になります。 ※支払保険料がそのまま丸ごと控除されるわけではありません。区分ごとに定められた算式で計算した額が控除になります。 年間8万円超の保険料で、その区分の所得税の上限4万円に到達します(住民税は5.6万円超で上限2.8万円)。 3-8-3 保険の種類による効果の違い(加入の検討) 保険料控除は「支払った金額」が対象になるため、掛け捨て保険でも節税効果はあります。 ただし、税金は抑えられますが、実際に保険料を払うので手取りは減少します。 一方で、養老保険や個人年金保険な積立型(貯蓄性保険)であれば、 「加入時に保険料控除で節税」 「将来、保険金の給付が受けられる」 とトータルとして手取りがプラスになる場合もあります。 どんな保険でも、まずは「必要な保障を備える」ことが第一です。 そのうえで、保険料控除という“おまけの節税”も上手に活用すれば、保障と節税の両方の効果が得られます。 上限は小さくても、毎年欠かさず使い続ければ長い目で家計に確かな差が生まれます。 3-8-4 地震保険料控除も忘れずに 自宅や家財の地震リスクに備える保険が対象(火災保険のみは対象外)です。 所得税の控除額は、支払った保険料の金額で上限が5万円です。住民税の控除額は、支払った保険料の1/2の金額で上限が2.5万円です。 地震保険料を支払っている場合は、忘れずに所得控除を受けましょう。 3-8-5 控除を受けるための手続き 年末調整で控除することができます。 毎年10月ごろに保険会社から受け取る「生命保険料控除証明書」や「地震保険料控除証明書」などを会社に提出して年末調整で清算してもらうようにしましょう。 3-9 不動産投資による節税 ★★☆☆☆(“節税のため”は非推奨/投資として成立が大前提) 不動産投資をすると「節税になる」と聞いたことがある方も多いでしょう。 たしかに、うまく活用すれば税金の負担を軽くできます。 ただし、節税だけを目的に不動産投資を始めるのはおすすめできません! 3-9-1 なぜ不動産投資をすることで節税になるのか? 理由は、不動産投資による「税金計算上の赤字」を給与所得と相殺することができるからです。 つまり、不動産投資が赤字になればその分の税金が減ります。 ここで重要なのは、「税金計算上の赤字」ということです。 税金計算上の赤字ではなく、実際に赤字になっている場合も給与所得と相殺して税金が減りますが、不動産投資の赤字を補填する必要があるため手取りも減ります。 では、税金計算上の赤字とはどういうことでしょうか? 代表的な仕組みは「減価償却費」という税金計算の方法によるものです。 「減価償却費」とは、購入した建物などの購入代金を数年から数十年かけて毎年少しずつ費用にしていく税金の計算方法です。費用化する年数は建物の構造や築年数などにより異なります。 たとえば、1,800万円の建物を20年かけて減価償却する場合は、 「1,800万円÷20年=年90万円」 が減価償却費として費用になります。 たとえ、建物の市場価値が変らなくてもこの90万円は費用とすることができます。 つまり、一切、損をしていないのにもかかわらず毎年90万円の費用を作ることができるのです。 この費用を含めて赤字になっているのが、税金計算上の赤字です。 では、この税金計算上の赤字は最後どうなるのでしょうか?? 結論は、売却した時に清算されます。 先ほどの建物を15年経過後に1,800万円で売却したとします。 購入代金と同じでも、税金の計算上は売却益が発生します。 売却代金:1,800万円 取得費 :450万円  1,800万円(購入代金)-1,350万円(減価償却費累計額) 売却益 :1,350万円 不動産の売却益は、基本的に一律で5年超保有している場合は約20%(所得税等と住民税)です。 つまり、売却益の1,350万円には、約20%である約270万円の所得税等と住民税がかかります。 最後に、購入から売却までの全体を確認してみます。 なお、減価償却費以外の諸費用と賃料収入が同額で、減価償却費がそのまま毎年の不動産投資の赤字になっていたとします。 また、この不動産投資をした方が、給与収入の高い方で毎年の所得税等と住民税の最高税率(その方が適用される一番高い税率区分)が約50%(所得税等が約40%、住民税が10%)だったとします。 そうすると、15年間で約675万円(1,350万円×約50%)の所得税等と住民税が減額されます。 売却益にかかる所得税等と住民税が約270万円(1,350万円×約20%)なので、 差額である約405万円について所得税等と住民税の税負担が軽減されたことになります。 3-9-2 不動産投資をする場合は細心の注意を 先ほどの例は、不動産の価格が下がらず、不動産の賃料と諸経費が同額だった場合(つまり、不動産投資で損をしていない場合)です。 不動産投資は、借入利息の上昇や入居者が決まらない空室リスク、災害による不動産の損害、価額の下落などさまざまなリスクがあります。 そのため、節税のためだけに不動産投資を行うのはおすすめできません。 もちろん、投資で利益がでれば、その分の税金も増えますが、手取りも増えます。 節税のためだけでなく、投資としてやるべきかしっかり検討をしたうえで判断をしましょう。 3-9-3 “似た仕組み”の節税にも同じ注意 不動産に限らず、同様の“節税スキーム”は世の中にたくさんあります。 ・税金は軽くなっても「投資全体はマイナス」にならないか?? ・大事な資金の投資先として問題ないか? 投資をする場合は、よく検討をしてください。 3-9-4 手続き 不動産投資の場合は、確定申告をする必要があります。 家賃などの賃料収入や固定資産税、管理費、損害保険料、減価償却費などの経費を計算して申告をする必要があります。 不動産投資が赤字の場合は、確定申告をすることで給与所得と相殺することができます。 第4章 まとめ いかがでしたか? 自分に合った制度について選択し、仕組み化してしまえば毎年の手取りを継続的に改善できるでしょう。 1年当たりの節税額が大きくなくても毎年続けば大きな効果を得ることができます。 最初は難しく実行するのに抵抗があると思いますが、一度やってしまえばそれ以降はそこまで負担なく実行することができると思います。 継続的に効果を得ることが大事なので1つでも2つでも今年中に実行しましょう!! 12の対策のおさらい ①ふるさと納税(自己負担2,000円で翌年の住民税等↓) ②住宅ローン控除(初年度は申告必須/年残高×0.7% 等) ③新NISA(将来の運用益が非課税/長期前提) ④iDeCo(今年の所得控除・60歳まで原則引出不可) ⑤社会保険料控除〈家族分含む〉(支払額全額が所得控除) ⑥医療費控除 or ⑦セルフメディケーション(同一年は選択適用) ⑧配偶者控除・配偶者特別控除(配偶者収入に応じて段階縮小) ⑨扶養控除・特定親族特別控除(19〜22歳は段階縮小) ⑩生命保険料控除 + ⑪地震保険料控除(別枠で併用可) ⑫不動産投資による節税(赤字通算/投資として成立が大前提) 最後までお読みいただきありがとうございます。 この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。 なお、この記事は令和7年10月現在の法令に基づき記載をしています。また、本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断は専門家へご相談ください。    

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